★★★取材からわかった『フルグラ』のヒット要因3★★★
1.日本人が好む味覚
日本人好みの食感を目指し開発。加えて、イチゴやリンゴを採用するなど、日本人が好きな味と見た目に、時間をかけて改良していった。
2.市場の捉え直し
シリアルから朝食へと市場を変更。知ってもらうべく大規模な試食を実施したほか、レシピも積極的に提案した。オシャレな朝食としてグラノーラが注目されたことも追い風になった。
3.諦めなかった
当初は撤退もあり得たほど不振だった。しかし、社内にファンが多く、何とかしようと粘り強く、事業を継続していった。諦めず継続してきたからこそ、来るべきときに注目を集めることができた。
『フルグラ』は2014年2月に生産能力を拡大したものの、4月から9月まで欠品が続いた。それでも2014年度は、前年度を上回る売上が見込まれているのだから、いかに売れているかが理解できよう。現在の大ブレークは、これまで「何とかしたい」と思ってきた社内の誰もが待ち望んでいた結果。とくに、同社がシリアル事業をスタートさせたときに大阪でシリアル販売部門の責任者だった伊藤秀二社長兼COOが、現在の大ブレークを一番喜んでいるのではないだろうか。
■製品情報
http://www.calbee.co.jp/cereal/
文/大沢裕司
ものづくりに関することを中心に、割と幅広く色々なことを取材するライター。主な取材テーマは商品開発、技術開発、生産、工場、など。当連載のネタ探しに日々奔走中。