4月の人事異動の前段階として、そろそろ、上司から内々に異動を通達される人が出始める時期になってきた。このような通達を受けて、人事評価を知り、絶望的な気持ちになる人もいるだろう。実は私も会社員の頃、経験したことがある。自分が信じていた上司から厳しいことを指摘されると、誰でも愕然とするものだ。しかし、冷静に考えてみると、「たかが、人事評価」でしかないことがわかる。今回は、低い評価を受けて絶望的な思いになっても、「たかが、人事評価じゃないか」と思えるような考え方を紹介したい。
1.自分の価値は自分で決める
人事評価は、通常、上司などが決めるものだが、部下がそれを覆すことは相当難しいことだ。例えば、5段階評価の一番下のランクにされた場合、絶望的になるかもしれないが、仕事を続けていく以上、受け入れていかざるを得ない。しかし、自らの値打ちは自分で決めることができる。また、そうであるべきだ。例えば、あなたが今の会社を辞めようとして、他の会社の中途採用試験を受けようとする。この場合、現在勤めている会社の人事評価は、他社の採用試験には基本的に関係がない。あなたのキャリア、実績、資格などの価値が問われるからだ。
普段から、自分の値打ちとは何か、どのあたりがウリなのか、他人と比べて何が強みなのか、それらをどのようにしたら、高めることができるのか、を深く考えておくことが大切だ。これらのことは誰もができているようでいて、実は相当、難しい。ほとんどの人は、人事評価の結果に対し、一喜一憂するものだ。
2.上司や会社は「絶対」ではない
会社に残る以上、当然、上司は大切な存在である。あなたを高く評価することも、低く評価することことも、さらには、辞める方向に追いやることもできる。ただ、ひとつ言えるのは、いついかなる時も「絶対的な存在」ではないということ。あなたを評価する内容に誤りがあるかもしれない。実は、部下を正確に査定するだけの力量がないかもしれない。
上司だって、常に正しいわけでなく、失敗することもあるし、致命的なミスもする。そのような人に、低く評価されたからといって、落ち込む必要はないのだ。もちろん、居直るのはよくないが、現在の職場での評価や扱いは、あくまで長い会社員人生の1コマでしかない。会社という組織にいると、目の前の上司が「絶対」にみえる時がある。しかし、彼らは上司という役割をはたしているだけで、それ以上でも、それ以下でもないのだ。
このような考え方ができるようになれば、人事評価にうろたえる必要はなくなるのではないだろうか。上司を「絶対的な存在」とみてしまうから、1つずつの指示や命令に敏感に反応してしまうのだ。同じ土俵に上がって闘う相手でもないが、絶対視するべき相手でもないということを心の片隅においておきたい。