『驚愕のカラオケ付随サービスの意味を問いただせ!』
飲み放題なのはウイスキー、ブランデー、焼酎。ここらは日本のフィリピンバプだのキャバクラだのと一緒。ただ今回いった店は珍しくビールも飲み放題だった。あと乾きモノみたいなツマミも出ます。今回はカッパエビセンと変な豆ね。
でもさ、ま、初めてあって話も弾まない時があるじゃん。するとだいたい女のコは、ツマミを手でもって客の口まで持ってきてくれる。いわゆる「ア?ン」ってヤツだ。え?この時、カッパエビセンだの豆だのを食べると同時に、女のコの指先くらい舐めるのはOKです。これは怒られません、よっぽど気持ち悪いオヤジならわからないが。あと肩を揉む、揉ませるもOK。ただし乳を揉むのはNGです。しかし、乳を揉ませるのはOK。やらせたたことないけど。
さ、KTVってからにはカラオケも唄い放題だ。これを爪痕残したいならばぜひやっておきたい。ま、オレもスナックで鳴らした喉を披露しましたよ。十八番の沢田研二の『渚のラブレター』ね。
ステージで歌って席に戻る。「サトサン、ウマイネ?」なんていうお世辞をマンザラでもなく聞いて、「プハー」なんてつって満足気に水割りを空ける。すると! 今さっきオレが歌ったばかりの『渚のラブレター』の前奏が再び流れてきた!
オマエ、オレが歌った直後に同じ歌歌うなんてオレにケンカ売ってるような客がいやがるのか? と思って聞いてると、なんとコレが、オレが今歌った歌を録音しておいて、店内にもう一度流すという分けわからないサービス・通称“アンコール”!!
これは恥ずかしいよ?! おまけに一番を流すんだもんな?。だいたいカラオケっていうのは2番くらいから調子上がってくるんだよ?。どうせなら2番長瀬よ?、頼むよマニラ?。オレもこのサービスを体験したのは初めてだったんだけれど、ありがたがってる人っていんのかね? なかなか外人さんの考えてることは理解できない部分はあるが、爪痕残した感はすごくある。そういう意味では許しておきたい。
そして1時間半、満足して店を出ようとすると、一緒に店に行った仕事仲間のA氏が女のコに、
「記念にツーショット写真撮っていい?」
と聞いている。女のコは即OK。オレが彼のスマホで写真を撮った。しかし、これが逆光で全然2人の顔が写っていない失敗写真。すると、今まで怒った姿など一度も見せたことのない温厚で有名なA氏がいきなり
「オマッ、ふっざけんな撮り直せバカヤロオ!」
と逆光に激高!! すぐに再撮しましたが、本場フィリピンのKTVには男の本質までも変えてしまうモノがあるのだった。
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。