3.同じミスを繰り返す
自分本位でめちゃくちゃな仕事をしていると、同じミスを繰り返す可能性が高い。そうなると、上司などに質問をすることが、ますます億劫になる。「叱られるかもしれない」と思い、ミスを報告することにためらいを感じやすくなるのだ。皮肉なことに、もっと「人の話を聞かない」人間だと思われてしまう。この悪循環を断ち切るためには、上司の話をできるだけ理解するよう、普段から心がけなければならない。漠然としたところは、そのまま放置せず、理解できるまで聞くという習慣を身につけよう。そんな姿勢を見せるだけでも周りに好印象を与えられるはずだ。
4.PDCAが回らない
本来、仕事というものは「Plan(計画)→ Do(実行) → Check(評価)→ Act(改善)」という流れを踏まえるのが基本だ。ところが、同じミスを繰り返す人は「Check(評価)→ Act(改善)」ができない。著名な人事コンサルタントを取材した時、こう話していた。仕事ができない人は「Plan(計画)→ Do(実行)」まではできるが、「Check(評価)→ Act(改善)」ができないと。
本人は「Check(評価)」しているつもりかもしれないが、周囲からは、そう見えないのだ。むしろ、同じミスを繰り返し、反省もしない。すると当然、「やる気のない、いい加減な奴」とレッテルを貼られてしまう。職場では「人の話を聞かない」「横柄だ、謙虚さが足りない、生意気だ」と見なされ、次第に孤立していく。パワハラもこの段階になると、エスカレートし、退職強要などにつながることもある。
最後に。20代で仕事にゆきづまった時、上の1?4までの悪循環に陥っている可能性が高い。会社の規模や業界を問わず、ほぼ該当するだろう。仕事がうまくいかないのなら、自分がどのあたりで壁にぶつかっているのか、振り返ってみよう。「会社が悪い」「上司がダメだ」と嘆く気持ちもわからないではないが、まずは、自分を変えることのほうが先決だ。以前、本連載でも、会社員の人生は30歳前半で決まる、人材としての値打ちがほぼ決まる、と書いたことがあるが、20代のうちはとにかく前向きに、積極的に仕事に取り組むこと。上司も先輩も取引先も、見ている人は見ているという言葉の意味が、次第にわかってくるはずだ。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。著書に「封印された震災死」(世界文化社)、「震災死」「あの日、負け組社員になった…」(ダイヤモンド社)、「非正社員から正社員になる!」(光文社)、「悶える職場 あなたの職場に潜む「狂気」を抉る」(光文社)など、多数。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)も好評発売中。