今回は、20代がなぜ仕事ができないと言われるのか、というテーマで私の持論を紹介したい。大企業であれ、中小企業であれ、20代前半で新卒で入社すると、少なくとも30歳までは、レベルの高い仕事をスムーズにこなすことは難しいだろう。壁にぶつかって、悩み、会社を辞めていく人も多い。今回は、そんな壁にぶち当たっている20代のビジネスパーソンに向けて、これまでの取材経験をもとにその処方箋について考えてみた。
1.人の話を聞かない
この場合の「人の話を聞かない」とは、「人の話を理解することができない」と置き換えてもいい。私の知る限り、ほとんどの20代社員は、上司や先輩の話は聞く。しかし、経験が浅いから、その話を隅々まで正確に理解することができないのだ。その「理解度」は、30?40代の中堅社員や、40代以上のベテラン社員と比べると圧倒的に低い。つまり、漠然としか理解できていないのだ。だから、上司や先輩、取引先などから何か指摘されたとしても、相手に「話を聞いていない」という印象を与えてしまう。
だが、20代にも優秀な社員はいる。優秀な社員は、その漠然とした部分を上司や先輩などに聞いて確認しようとする。だが、確認しようとしても100%理解することは難しい。自分が完全に理解していないところが、どこであるのか把握できないからだ。それを把握できるようになるまでには、ある程度の経験値が必要になる。
2.自分本位で仕事のしかたがめちゃくちゃ
周りに「人の話を聞かないヤツ」というイメージが浸透すると、自分本位で、めちゃくちゃな仕事をするといった印象を持たれる場合がある。もちろん、本人にそんなつもりはないのだろうが、職場では不利になる可能性が極めて高い。ましてや、経験の浅い20代のうちは「横柄だ」「謙虚さが足りない」「生意気だ」ととられることが多い。
20代のうちは可能な限り、仕事を早く覚えて、一人前になる努力を重ねなければならない。そのためには、上司や先輩などの話をきちんと聞き、漠然とした部分をそのままにせず、ひとつひとつ疑問に感じたを潰していかなければならない。「人の話を聞かない」「横柄」「謙虚さが足りない」「生意気だ」とレッテルを貼られる人は、このあたりが起因しているということを覚えておきたい。それがエスカレートすると、いじめなどに発展することもある。くれぐれも注意しておきたい。