4.周りに理解者や支持者がいる
20代前半から一貫したキャリアを積んで、仕事について深く考えることができると、実績や業績は同世代の中では高くなるものだ。上司や先輩たちからも注目され、大きな仕事や活躍できそうな仕事を任されやすい。自ずと、実績を残し、人事評価が高くなる傾向がある。取引先やお客さんなどからも信頼されやすくなる。こうなると、自信をますます持つようになり、仕事が面白くなり、一段と頭角を現すことができるようになる。このような理解者や支持者がいなければ、30歳で早々と頭角を現すことはできない。
5.上司に恵まれている
会社員である限り、上司の存在は重要だ。実績を残したところで、上司がそれを認め、人事評価で高く評価し、さらに上の本部長や役員、人事部などにきちんとPRをしてくれないと、部下はなかなか認められない。特に30歳までは、キャリアが浅く、経験や場数を踏んでいないために、引き立ててくれる人がどうしても必要になる。自分一人でブレークすることはほぼ不可能だ。つまり、30歳で頭角を現す人は、得てして上司の強力な支援などがあるものだ。
その意味で、上司に恵まれることが前提条件となる。ただし、まずは自分がそれにふさわしい人材になることが重要だ。少なくとも、20代の時、同世代の中で人事評価が上位2割以内に入りたい。そのくらいの「価値」がない限り、上司も引き立てようとはしない。
最後に。大企業の場合、30歳で頭角を現すと、その後、遅くとも30代半ばから後半で、課長やその上の役職に就く可能性がある。40代前半から後半で早くも部長、執行役員、役員などに抜擢されることもある。50代で、役員や社長も夢ではない。
たとえ、出世競争で敗れようとも、他の会社の役員などとして迎え入れられるかもしれない。今の20?30代の人が、50?60代を迎える時は、優秀な幹部社員の引き抜きが間違いなく盛んになっている。収入の差もより一層、大きくなっている。その時を見据え、20代の仕事のやる気がみなぎっている人は、今のうちから大いにがんばってほしい。必ず結果はついてくるはずだ。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。著書に「封印された震災死」(世界文化社)、「震災死」「あの日、負け組社員になった…」(ダイヤモンド社)、「非正社員から正社員になる!」(光文社)、「悶える職場 あなたの職場に潜む「狂気」を抉る」(光文社)など、多数。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)も好評発売中。