■連載/あるあるビジネス処方箋
今回は、上司から理不尽な扱いを受けたりした時に、部下が自分の身を守るための言動について紹介したい。中には、少々、過激なものもあるかもしれないが、いずれも私自身の経験や取材で聞いたもので、効果があったと思われるものである。上司と話し合いをしても解決しない場合や、話し合いの場すら作ってもらえない時には、これらの言動を選択することも検討してもいいだろう。ただし、くれぐれも慎重に考えた上で、自身の責任の範囲内で決断してほしい。
1.黙って無視する
上司から理不尽な扱いを受けた時、ひたすら黙ってしまう。仕事の会話をしないことはもちろん、挨拶すらしないようにする。一応は、仕事を黙々と処理していくが、それ以上は一切、誰とも関わらない。徹底して、上司を黙殺するのだ。じっと黙り、上司がご機嫌をとりにこようとも、無視して、黙り続ける。1か月、このままいると、上司だけでなく、周囲の社員たちも腫れ物に触るような接し方をしてくるはずだ。職場では完全に浮いた存在となってしまうことが予想されるが、このように黙り続けることもひとつの方法である。上司から理不尽な扱いを受け続けるのは、「反撃をしない奴」とか、「何をしても反論してこない奴」と思われているからだ。「反論しない」とは、言い返すことだけを意味するのではない。黙って無視することも、立派な「反論」なのだ。
2.冷笑する
上司からいじめを受けたり、バカにされたりした時、反論をするのではなく、黙ったまま、にやにやと笑ってみる。上司は、「俺のことを舐めやがって……」と思い、怒るかもしれない。それでも、じっと上司の顔を見つめ、にやにやと笑ってみよう。わずか、数秒でいい。腕を組んでもいい。足を組んでもいい。私は、30代前半の会社員時代に、40代の後半の部長に対し、一度だけ、こういう態度をとったことがある。日々の指示があまりにもめちゃくちゃで、怒りが限界に達したからだ。ずっと、部長にはふさわしくない人間だと思っていた。話し合いをしようとしても、できない人間だった。「常に自分が正しい」と思い込み、話し合いのテーブルにすら座ろうとしなかった。そこで止むを得ず、上司から無茶な指示を受けるたびに、返事をすることもなく、その場で黙って、下を時折、向き、せせら笑うような行動をした。上司は相当怒っていたようだが、それ以降、私には関わろうとしなくなった。翌年、私は人事異動で他の部署に移った。