国内の新車販売台数の低迷が続く中、唯一と言っていいほど元気なのがSUV市場だ。今年は海外メーカーの新型車攻勢が活発だが、国内メーカーの人気モデルのフルモデルチェンジや商品改良にも注目が集まっている。世界でも支持される日本メーカーの人気SUVの進化をチェックした。
調査会社のJDパワーが発表したボディータイプ別新車購入動向調査によると、今年に入ってからSUVの人気が特に高まっているという結果が出た。特にSUVは2016年から3年連続で検討率が伸びていることがわかる。最近ではセダンを購入する人もSUVを検討車種に入れる人が増えているようだ。当然、メーカー各社もこの動きをとらえ、次々と新型車を投入し、SUVの市場が活性化している。
SUBARU『フォレスター』は2012年に4代目が発表され、6年ぶりとなる今年6月にフルモデルチェンジを果たした。新モデルは新しいプラットフォームを採用し、快適性と安全性能が向上。歩行者保護エアバッグと「アイサイトツーリングアシスト」を全車標準装備とした。
さらに、水平対向2.0Lガソリンエンジンにモーターアシストを加えたハイブリッドエンジン「e-BOXER」を投入。水平対向2.5Lのガソリンエンジンも用意した。発売直後のデータを見るとe-BOXERモデルが全体の4割を占める構成となっている。
今回試乗したのは、2.5Lのガソリンモデル。後日、ハイブリッド車にも試乗したが、加速性能やハンドリングのバランスはガソリン車のほうがよかった。
燃費に関しても、その差は街中や高速走行でも2〜4km/L程度だった。スポーティーさを求めるならガソリン仕様がおすすめ。ハイブリッド車はもう少し熟成させて完成度を上げたいところだ。
一方のマツダ『CX-5』は、2012年に初代が登場、2016年に現行型になり、今もなお進化を続けている。この「進化を続けている」という意味を補足すると、自動車メーカーは通常1〜2年に1回ぐらいの頻度でメカニカルな部分や内外装を手直しするのが一般的だが、同社はこうしたマイナーチェンジを数年前からやめた。新しい技術の実用化の目途がつくと、即座にそれを生産車に投入するという方針に切り替えたのだ。
2016年に登場した現行型も12月にデビューし、翌年8月には商品改良と謳って先進安全技術の設定を拡大。さらに今年2月にはガソリンとディーゼルの新技術や360度ビューモニターなどを投入した。最新モデル=常に最良というクルマ造りを追求しているのだ。
これも自動車メーカーの新しい生き方といえる。