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仕事の報告を誰にすればいいのか、わからない職場の問題点

2018.10.16

 

 部長は常に自分中心で組織が動かないと気がすまない。私に限らず、女性課長の部下5人すべてにあらゆることについての報告を求めた。部長は女性課長には気兼ねして、何も言わない。課長と部長は深く話し合うことはしない。互いに敬遠し合い、口をきかない。

 私たちは女性課長にまず報告し、何らかの指示を受ける。その後、10メートルほど歩いていき、部長に同じことを同じ口調で報告をする。その都度、指示を受ける。課長と部長の指示はまるで違う。どちらに従えばいいのか、わからない。課長の指示に従うと、部長が不満を課長がいないところで言う。部長の指示を受け入れると、今度は課長が不愉快になる。結局、2人の指示に従うので、指揮命令は混乱し、錯綜に次ぐ錯綜をしていた。

 2人は2年半の間、互いに責任をなすりつけあい、ついに向かい合って話し合い、解決をしようとはしなかった。2年半の後、部長が課長を他部署へ人事異動で追い出した。その後も、2人は裏では罵り合っていた。部長は、私と1対1で話し合うときには、女性課長のことを「当事者意識がない」として盛んに否定した。課長は部長のことを「中途半端な介入をしてかき回し、無責任な状態で放棄する」と課の会議などでこき下ろした。

 ここまでひどい職場は少ないだろうが、1人の社員に複数の上司がいて、指揮命令が混乱している部署はあるのではないだろうか。私の経験論や取材で感じ取っていることをもとに言えば、読者諸氏が一般職である場合、このような上司(管理職)には深入りをしないほうがいい。直属上司である課長には報告をするべきだが、部長にはすべきではない。何を言われても、無視をしたほうがいい。私は2年半のうち、後半の1年ほどは部長とは口をきかないようにしていた。無責任な上司には、無責任な部下であろうとした。

 ほかの社員たちも同じような行動をとっていた。大切であるのは、「これは課長と部長の問題であり、私たちには関係がない。私たちは被害者なのだ」というメッセージを送ることだ。ここで責任感を感じて部長に報告をするから、指揮命令が混乱し、職場が疲弊するのだ。加害者である上司たちが責任を感じていないのに、なにゆえに部下が真剣に考えこみ、苦しまなければいけないのか。次回は、なぜ、こういう職場になるのか、その背景を分析したい。

文/吉田典史

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