厄介者はこうつくられる
これとは真逆であるのが、厄介者だ。「ホームランを時々打つが、ほとんどは凡打か三振になる」がゆえに、上司や周囲は「不安定な人」と見る。すると、どうでもいいような仕事や難易度が相当に低い仕事をしか与えられない。本人はまた報告をすることもなく、仕事をするから、信用を失う。上司や周囲は「こいつはできない」「もう、手に負えない」「ほかの部署へ出したほうがいい」などと思い始める。ほかの社員もその空気を察し、「こんな社員のそばにいると、自分も同類と思われる」としだいに離れていくこうして、職場では「厄介者」になる。
ところが、本人はそのことを感じ取ることができない。相変わらず、マイペースで仕事をする。報告・連絡もしないから、何をしているか、さっぱりわからない。いつまでも「誰もができる仕事」をきちんとしないから、失笑の対象を通り越し、その部署にいるかいないかわからない「伝説の人」になる。話題にもならない。
つまり、「厄介者」=「伝説の人」なのだ。読者諸氏の周囲には、このような社員がいないだろうか。
文/吉田典史