連載/あるあるビジネス処方箋
会って話をした後、嫌な気分や不快になる人がいないだろうか。つまりは、「後味の悪い人」である。
私は会社員の頃に、こんな人をたくさん見てきた。
得てして、仕事ができないのだが、プライドだけは高い。周囲からすると、なかなか難しい相手でもある。
今回は、そんな人たちの特徴を私の取材経験で感じとったものをもとに考えてみたい。職場での人間関係づくりの参考にしてほしい。
「反対のための反対」を繰り返す
会議の場などで、誰かが意見を言うと、それに強く反対をする。そのとき、理由や根拠、さらに代案をわかりやすく説明をするならば問題はないのかもしれない。しかし、後味の悪い人は反対をするのみ。代案もない。何かを言うときもあるのだが、周囲からすると意味がつかめない。本人も、あまりわかっていないようだ。
実は「反対のための反対」をすることで、自分の存在価値を皆に知らせしめようとしている可能性が高い。「俺をなめるな!」と言いたいのだろう。だからこそ、反対をいつまでも繰り返す。本人はご満悦なのだが、周りの社員は実に不愉快な気分になる。
同僚をバカにすることで、プライドを守る
社内の同僚をバカにすることで、自分のプライドを守ろうとする人も後味が悪い。何かの劣等感をもつ人に目立つ。たとえば、私の身近には、出版社に勤務する編集者が多いが、その1割(20~25人)は、自らのことを「記者」と名乗る。「編集者」と言われることを嫌がる。あくまで「記者」であろうとするのだ。
本人たちに聞くと、新卒時に、全国紙や通信社の記者になりたかったのだのという。だが、不採用となり、今の出版社に不本意入社した。その後、20代後半までは、全国紙や通信社の記者職の中途採用試験を受けていたのだが、なかなか受からないようだ。そこで、一段と強い不満を抱え、今の出版社に残る。
この人たちは、同僚である編集者らを盛んにバカにする。自分は「記者」であり、編集者よりももっと立派な仕事をしている、と思い込んでいるようだ。この人たちの周囲にいる編集者たちから聞くと、「記者」と名乗る編集者の評判はすこぶる悪い。総スカンになっている人もいる。
部下を追い詰めて、勝ち誇る上司
上司が部下への指導をするのは当然。大きなミスがあまりにも多いときなどは、叱ることが必要な場合もある。だが、それには限度や許容範囲がある。上司は管理職手当をもらい、権限を与えられているのだから、部下よりも様々な意味で勝っているのは当たり前のこと。
ところが、部下を目の敵にして、必死に抑えつけようとする人もいる。なぜか、部下をライバルと思っている人すらいる。こういう上司は、部下に対し、嫉妬心や侮蔑意識をもっている可能性がある。言い換えると、自分に自信がないともいえる。後味が悪いものだ。