「見えない」への対処方
主催者が会議室にいて、出席者が自宅や外出先などからリモート参加する場合、会議室の様子や、会議の資料が見えないというトラブルが発生しがちです。それを避けるために、資料をデジタル化して、事前に配布しておくことは必須です。当然、資料やデザインの説明をする際には、Web会議サービスにある「レーザーポインター機能」を使います。どのパートを話しているか、明確にする必要があるからです。また、会議室のホワイトボードを使った議論が始まってしまったら、その様子はWebカメラを使って映し出し、どのような議論が行われているのかをリモート参加者に見せてください。
「孤立する」の対処策
リモート参加者が孤立し「置き去り」にされてしまうケースがあります。参加者を孤立化させないためには、最初に主催者が、リモート参加者の役割を明示し、適宜意見を求めるとよいでしょう。
そして、冒頭でビデオをONにして会議室の様子を共有してみましょう。リモート参加者がWi-Fiなどの無線接続環境を利用している場合、十分な通信帯域を確保するためにも、必要な時だけビデオをONにすればよいからです。
また、しっかり「言語化する」ことも重要です。例えば会議室にある「このリンゴが」と主催者が発言しても、リモート参加者と齟齬(そご)が発生する場合があります。そうならないために、「この青くてみずみずしいリンゴが」とできる限り具体的に説明して、ミスコミュニケーション(伝達不良)を避けるのです。
Web会議は進化する
テクノロジーの進化は留まることを知りません。Web会議も、発言内容を自動翻訳したり、自動で議事録を作ってくれる機能がいずれ登場するでしょう。
リモート参加者を孤立化させない試みのひとつとして、資生堂が開発した「テレビューティー」を紹介します。これは、Web会議でビデオ表示される顔に自動でメークや顔色補正を行い、顔以外の部分をぼかす機能が搭載されています。これならノーメークで参加しても、自宅の部屋が汚れていても大丈夫ですね。
文/越川 慎司
株式会社クロスリバー社長。元マイクロソフト役員でofficeビジネスの責任者。2017年に起業し、企業の働き方改革や海外進出を支援。週休3日で新しい働き方を実践中。
『新しい働き方~幸せと成果を両立するモダンワークスタイルのすすめ~』著