■連載/一条真人の検証日記
最近ではAI(人工知能)がかなり話題になるようになってきた。そして、スマートフォンの中にも人工知能対応プロセッサを搭載したものが登場している。例えば、ファーウェイのMate 10 Proなどが人気だ。また、ASUSのZenFone5は、クアルコム社のAI処理を強化したプロセッサを搭載した。ちなみにファーウェイは自社の子会社が開発したKirinというプロセッサを搭載している。
ファーウェイの人工知能プロセッサ搭載スマホが、撮影した画像のレタッチも行ってくれるのに対してZenFone5では写真に関しては被写体の種類の識別にしか使われていないという。
AIによって機能だけでなく、モノとしての完成度がアップ
それではほかに何にAIプロセッサを使っているか? というと、被写体を16シーンにわけて識別しているほか、「AIブースト機能」でクロックアップし、プロセッサの処理を高速化してくれる。さらにバッテリを長時間駆動できるようにマネージメントしてくれる「AIバッテリ機能」を搭載していたり、画面を見ている間はスリープしない状態をキープする「スマートスクリーン機能」、うるさいところにいるときは着信ボリュームを自動的に大きくしてくれるなど着信ボリュームを自動的に調節してくれる「AI着信音」機能、過充電によるバッテリの劣化を防ぎ、バッテリライフを長く」してくれる「AI充電」機能など、使い勝手を向上する方向に力が入っている。
スマートフォンはAIによって機能アップさせるだけでなく、毎日使う日用品として、完成度を上げている。なんだか白物家電的にも感じてしまう。先進国では普及度があがり過ぎて、新規ユーザーはほとんどいなくて、代替え需要ばかりなどとも言われる昨今、今後のスマホの方向性のひとつは、こういうことかも知れない。
ZenFoneシリーズの最初のモデルが登場したときは、「性能怪獣」などと自称し、価格はそう高くないが、性能は最強レベルであることを売り物にしていたことを考えると、時代は変わったなあ、と思ってしまう。
AIプロセッサを搭載して進化したASUS ZenFone5。