ただし「eBay」に限らず、ネットオークションでは注意すべきことがある。僕はかつて恐ろしい体験をした。
2015年9月、中古レコード収集超ビギナー期に、ピンク・フロイドの『狂気』の中の『狂気』、ブルートライアングルと呼ばれるUKマト1、ジャケット・レコード共にVG+を「ebay」にて約2万3千円で落札した(マト1についてはこの記事参照)。ブルートライアングルという通称は、レーベル上のブルー(というより水色)に塗られた三角形からきている。マト1より後の盤では、三角形の辺がブルー、内側が黒に変更された。よって、ブルートライアングルなら、間違いなくマト1だ。ちょうどその頃、状態のいいマト1(ジャケットもレコードもEXかEX+級と記憶する)が約8万円にてユニオンで売られていたので、このレコードの録音がまあまあならば、2万3千円はお買い得だと思った。聴いてみると、同年5月に購入した初期盤(約5千円)に比べてはるかに鮮烈な音で、輪郭もくっきり。マト1の威力をまざまざと実感した(マト1購入後、初期盤は買取にて3300円で売却)。しかしチリが多い。A面3曲め「On the run」終わり近くからの静音部などは、チリまみれでかなり不満だった。
USマト1のレーベル。UKマト1より後のUK盤もこのデザイン。
さらにジャケットの色には、不審感を覚えた。UKマト1のジャケットの色は青みがかった黒(blue tint)でそれより後は真っ黒とされるが、どう見ても真っ黒で青みはまったくない。レーベルのブルートライアングルは貼り替えようがないと思うが、ジャケットを入れ替えることは簡単なので、取り替えられている可能性がある。この意味でも、この『狂気』マト1には満足していなかった。