小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

入社6年目社員の本音「新郎が酔いつぶれてしまった時はどうしようかと…」エスクリ・中尾浩人さん

2018.06.29

■最長は5時間の披露宴

 キャプテンは披露宴の終了時間にも、気を配らなくてはいけません。披露宴の時間はだいたい2時間半ですが、キャプテンにも慣れてきた頃のことです。僕が受け持った披露宴で、通常の時間よりもさらに2時間半も押してしまい、5時間かかったことがありました。

 いつも通りはじまった披露宴でしたが、めでたい席ですからゲストの方から、「まあ一杯」とお酒を勧められて。新郎はお酒に弱かったのでしょう。お色直しの着替えに新郎新婦が席を立ち、再入場する時に新郎が扉の前で完全に動けなくなってしまった。さらにぐーぐーとイビキをかき出はじめたんです。新婦は泣き出してしまうし、いったいどうしていいのか僕もあわてた。

 椅子を持ってきて、扉の前で酔いつぶれ寝入っている新郎を座らせて。「新郎は入場できません」僕の言葉に、駆け付けた僕の上司のリーダーが、助け舟を出してくれました。

「もう一つの扉から、新婦とお父さんを入場させよう」司会者にも、「お父様がすごく大事にされていた新婦様ですから」と、新婦とお父さんが並んで会場に入場してくるシーンに、フォローの言葉を添えてもらって。「料理を先に出しましょう。食事の時間をゆっくりとって、食後のコーヒーもなるべくお替りしてもらうようにして」「その間に新郎の回復を待とう」

 結局、最後の新婦の手紙を読むシーンでは新郎もなんとか回復。メインテーブルに二人並んで立ち、つつがなく終わりましたが、5時間の披露宴は後にも先にも、あれ一回きりです。通常は複数の披露宴が入っていて、長時間は不可能なのですが、この時はたまたま後ろに、宴会がなかったので助かりました。

「中尾くん、キミ、プランナーに合いそうだね」と、入社当時から上司に言われていました。プランナーへの配転は、キャプテンの仕事が軌道に乗った入社1年後でした。配属が決まり、福岡から今のラグナヴェール トウキョウに転勤になりまして。東京駅に近いこの結婚式場は、会社では“八重洲”と呼ばれていて結婚式の数が一番多い。

「止めとけ、大変だぞ」先輩たちには口を揃えてそう言われたのですが、僕はいいチャンスだと思ったんです。ところが――

 忙しいのはいいとして。どんな結婚式にするのか、主導権を握るのは新婦だ。新婦は式の内容についての相談相手として、同性を好む。そんな事情から結婚プランナーの8割は女性だ。その中に飛び込んだ中尾さん、結婚式の売上を伸ばすための孤軍奮闘ぶりは、並大抵ではなかったようである。

 そのお話は後編で。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年3月15日(金) 発売

DIME最新号はデザイン一新!大特集は「東京ディズニーリゾート&USJテーマパークの裏側」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。