大阪市交通局は2018年4月1日に民営化され、大阪市営地下鉄とニュートラムは「Osaka Metro」こと、大阪市高速電気軌道、市バスは大阪シティバスに、それぞれ生まれ変わった。奇しくも、2018年5月20日に御堂筋線開業85周年を迎えた。そこでOsaka Metro初乗りの様子と、御堂筋線の魅力を語ろう。
■大きな変化がなく戸惑わない
地下鉄の民営化は東京メトロ以来、14年ぶり。営団地下鉄から東京メトロに変わると、ロゴや車内自動放送担当の女性が一新されたほか、放送の内容も大幅に変わるなど、戸惑う乗客が多かったと思う。恥ずかしながら、私は慣れるのに2年もかかってしまった。
一方、Osaka Metroは特に大きな変化がない。車内の自動放送は2000年頃から務めている女性が引き続き担当、放送内容も「大阪市営地下鉄」から「Osaka Metro」に変更されたのみ。車内の自動放送が頻繁に更新されることは、今後も変わらないだろう。
長年にわたり、多くの人々に親しまれた、大阪市高速電気軌道標識。
意外なのは、一部の車両や駅を除き、「コマル」や「マルコ」と称される大阪市高速電気軌道標識が貼付されていたこと。人手の問題などで、2018年4月1日までに完了できなかったのだろう。いきなり変わるより、徐々に変えていったほうが、乗客にとって、目を慣らしやすいのかもしれない。
気になるのは、大阪市交通局時代から、券売機でエンジョイエコカード(1日乗車券)を購入する際、交通系ICカードが使えないこと。東京メトロの24時間券や、JR東日本の都区内パスは現金、交通系ICカードのどちらにも対応できるのだから。利便性向上のためにも改善をお願いしたい。
■御堂筋線の“オススメ駅”などをピックアップ
○江坂-御堂筋線の起点だが、実質中間駅-
御堂筋線は、大阪市電気局時代の1933年5月20日に梅田―心斎橋間が開業して以降、北は江坂、南はなかもずまで延びた。現在、江坂から先は北大阪急行電鉄南北線(以下、北急)との相互直通運転が行なわれているほか、千里中央―新箕面(仮称)間の延伸工事が進められている。
さて、御堂筋線の起点、江坂は吹田市に所在する。Osaka Metroと北急の境界駅で、ほとんどの列車が両線をまたぐ。
両隣は国道423号線新御堂筋。れっきとした一般道路だが、鉄道と並行している区間は、高速道路と勘違いしそうだ。名神高速や中国自動車道方面へ向かう高速バスも多数走行しており、こちらも大阪の大動脈を担う。
○東三国-東横イン新大阪東三国駅前の最寄り駅-
東三国は2018年3月16日にオープンした東横イン新大阪東三国の最寄り駅で、運がよければ、部屋の窓から御堂筋線の列車を眺められる。実際に泊まってみると、二重窓でないこともあってか、走行音が響く。この駅を発車する終電の、なかもず行きは0時ジャスト、千里中央行きは0時04分と早く、ぐっすり眠れそうだ。