■連載/あるあるビジネス処方箋
今回と次回で、アサヒビール(株)に勤務する女性社員に取材を試みる。
大きなテーマは「女性の管理職」。
管理職になることを目指していて、産休育児休暇などを終え、職場復帰している女性を選んだ。このような女性に話をうかがうことが、女性の管理職を目指すうえでの課題や問題などを浮き彫りにすることができるのではないか、と判断した。
ご協力をいただいたのは、同社のマーケティング本部デジタルマーケティング部に勤務する課長補佐の秋山弥生さんだ。今回は、管理職の魅力などを中心に聞いてみたい。ぜひ、ご覧いただきたい。
現在の部署:マーケティング本部デジタルマーケティング部
主な仕事内容:デジタル販促企画、ホームページ管理、SNS運用、ECサイト「アサヒショップ」運営
現在の役職:課長補佐
年齢:35歳
社歴:2005年入社
2005年~2007年、埼玉支社にて流通向けの営業を担当
2007年~2010年、ワイン事業部(現 マーケティング第四部)にて
輸入ワインブランドを担当
2010年~2012年、グループ会社の広告代理店に出向し、
主にメディア営業を担当
2012年、育児休暇(第1子)、2013年復帰
2013年、マーケティング第二部にて焼酎の販促を担当
2015年、育児休暇(第2子)、2017年復帰
2017年、デジタルマーケティング部で、RTDカテゴリーのデジタル販促や
ECサイト「アサヒショップ」運営を担当
Q 今後、管理職を目指されるのですね。
現在は、課長補佐ということで管理職の1歩手前のところにいます。現在の所属部署の上司の勧めがあり、昇格試験を受ける社員が受講するEラーニングを受講しています。Eラーニングで会計やマーケティングなどを学び、受講をひととおり修了すると、管理職登用試験の受験資格が与えられます。直属上司が、「管理職の登用試験をそろそろ受けてもいいころではないかな」と思われたときに受講を勧めているようです。
当社では昇格し、管理職となる課長という肩書になっても、直後に部下を持ち、部署を管理するライン長になるわけではないのです。課長として携わる仕事は、一般社員(非管理職)の頃と大きくは変わりません。部下を持ち、部署を管理する立場に立つのは「ライン長」と呼ばれる部長や次長たちです。
管理職登用試験に合格することは、たとえば、広い視野で社内外を見渡し、経営の立場に立ち、適切な判断が迅速にできる力があると会社から認められたことを意味するのだと私は考えています。
最近は、管理職になることが以前よりも難しくなっていると聞きます。当社では30代前半で課長になる人もいますが、平均では38歳くらいです。難易度が上がっていても、私としては挑戦してみたいと思っています。
今の部署では一般社員(非管理職)ですが、上司から権限を委譲していただき、やりがいのある仕事をすることができています。それにともなう責任も感じます。今後、管理職になると、さらに仕事がおもしろくなり、経験を積み、ライン長の立場になると、部署全体の方向性などを明示し、よりダイナミックな仕事ができるように思うのです。仕事がますますおもしろく、楽しくなるのだろうと期待しています。