■2時間49分かけて終点へ
11時33分に発車すると、最後の勾配を力強く登る。“いつもと見方が異なる車窓の旅”は、まもなく終わりを迎えようとしている。
「大変、長らく、お待たせをいたしました。まもなく、終点の東武日光に到着でございます。終点、東武日光に、到着いたします」
車掌の放送が車内に響き渡り、11時41分、終点東武日光4番線に到着。12時00分発の臨時急行南栗橋行きとして折り返す。乗客が降りると、清掃担当の女性が車内へ入り、美化に務めていた。たとえ、車両が通勤形でも、快適な空間を乗客に提供する姿勢は変わらない。
通勤形電車による2時間49分(表定速度48.1km/h)の旅は、思ったほど、きつくなかった。もし、長時間のロングシート乗車に耐えられないときは、6050系の各駅停車に乗り換えればいい。夏季以降も「浅草8時52分発の臨時電車東武日光行き」が設定された場合、座席に坐れる保証がないことを承知のうえで、下記の乗り継ぎを試してみてはいかがだろうか。
○臨時電車東武日光行きと6050系各駅停車の乗り継ぎ
浅草852(臨時電車東武日光行き)⇒1002南栗橋1003(各駅停車新栃木行き)⇒1044新栃木1053(臨時電車東武日光行き)⇒1126下今市1128(各駅停車東武日光行き)⇒1137東武日光
取材・文/岸田法眼