東武鉄道(以下、東武)では、例年ゴールデンウィークに臨時電車などを運転している。2018年の浅草―東武日光間直通電車は、1800系の引退発表に伴い、通勤形電車が充当された。果たして、1800系の〝後継者〟となれるのだろうか。実際に乗ってみよう。
■急行形電車から通勤形電車へ
2017年ゴールデンウィークは、浅草―東武日光間に臨時電車(乗車券のみで乗車できる列車)2往復が設定され、このうち浅草8時09分発の下り東武日光行きは、1800系が充当された。発車前から満席で、立客が発生。北千住で混雑が激しくなってしまった。また、上りの浅草行きも同様だった。東武は、この状況を重く見たのか、夏季と秋季は臨時急行南栗橋―東武日光間の運転に短縮された。
南栗橋まで定期列車だが、方向幕は「臨時」を表示。
2018年ゴールデンウィークの浅草発東武日光行きの臨時電車は、下り1本のみ設定。それも、定期の区間急行南栗橋行きを東武日光まで延長運転する。浅草―南栗橋間は区間急行運転、南栗橋―東武日光間は急行運転することから、「臨時電車」という扱いにしたのだ。
伊勢崎線浅草8時52分発の臨時電車東武日光行きは、通勤形電車の主力10030系で運転し、旅行客やレールファンなどが乗車。普段の区間急行南栗橋行きなら、もっとガラガラだろう。私が思ったほど、東武日光方面へ向かう乗客は少ない。
若者のグループはロングシートを向かい合せに坐り、“簡易ボックスシート”にして会話が弾む。キャリーバッグを荷棚に載せる乗客は皆無。通路幅の広いロングシートなら、混雑時でもない限り、ほかの乗客に迷惑をかけることはなさそうだ。