■ノーとは言いづらい性格でして……。
それぞれのマーケティングチャネルのベースとなる知識は、知っておく必要があるのですが。この会社はいろいろなことにチャレンジすることを、奨励する文化があるんですよ。私もいろんなことに興味がありましたから入社当時、
「ミヤ、やってみない?」「ミヤなら、できると思うよ?」そう上司やスタッフに薦められると、チャレンジしてみたいという思いとノーとはいいづらい性格もあって……。
「じゃあ、やってみたいです」「面白そう、やらせてください」
結局、いろんなマーケティングチャネルに参加をしました。ヤフー等で“ホテル予約”を検索すると、いっぱいヒットします。その中でうちの会社のサイトを、いかにして検索順位の上位に持ってくるか。例えば海外では春の海外のマーケティングチームから、「イースター」を主なテーマに、キャンペーンをやってほしいとオファーがあったとします。海外では「イースターホリデー」は大きなイベントです。でも日本のお客様には「イースター」はまだよく知られていない。ではどうすべきか。
「イースターホリデー」を「春の旅行応援特集」等に変更をすると、日本人にとってもわかりやすい。日本の祝日や旅行シーズンに合わせてセールスを開催したり。さらに、SEOという手法ですが、「春」「旅行」「ホテル」など、検索上位に上がりやすいキーワードを文章に入れることで、ヤフーやGoogleの検索で、Hotels.comのサイトがさらに検索順位が上位に来るのではないか。実際に試してその反応を確認したり。
LINEやFacebookの運営を担当するソーシャルチャネルの担当者とは、この夏、日本人に人気のある旅行先はどこで、セールス情報をいつ配信し、その際、どのような画像を使うのが効果的かなどを話し合います。各マーケティングチャネルの担当チームは海外にいますから。私は日本マーケットの担当者として、スカイプを使ったテレビ電話やメールで、海外のチームとやり取りをしました。
それぞれのマーケティングチャネルを深掘りする面白さはありましたけど、気がつくと連日、夜遅くまで会社にいる働き方になってしまった。私は自分のキャパシティーをオーバーして仕事をしている。こういう仕事の仕方をしていること自体が失敗だなと。終電に乗り遅れないように駅まで走りながら、ワークバランスが崩れている自分を自覚していました。
ノーとは言いづらい性格のモリセイさんが、自ら招いたオーバーワークと、どう折り合っていくのか。その続きは後編で。
取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama