■「中の人」としてやるべきこととやってはいけないこと
新年度がスタートし、企業の「中の人」に就任し、Twitterを更新していく立場になる人もいるかもしれない。そこで憧れるのが、シャープ、タニタ、キングジムの3企業の中の人。彼らのように人気者になるための心得として、やるべきことと、やってはいけないことを教えてもらった。
シャープ担当者「老婆心かもしれませんが、所属する企業の公式Twitterを運営する際、『バズってフォロワーをはやく増やしたい』と欲望している、または『フォロワー数の増加で運営担当者の仕事を評価する』と命じられているのなら、まずはそこを見直すことをおすすめします。企業のTwitterは、運営担当者が人気者になるためのツールではないし、企業の言い分を効率よく多くの人に届けるツールでもありません。お客様の声に耳を傾け、企業がお客様と直接コミュニケーションするためのツールです」
タニタ担当者「自らコンテンツ(ネタ)を作り、発信することが大事です。例えば、自社や自社商品のあるあるネタなど、見ている人が共感できる内容などをツイートするとよいと思います。また、世の中のトレンドに乗ることも重要です。ネタ発信のヒントになりやすいので、ニュースやTwitter上の情報にアンテナを張るようにしましょう。
やらないほうがいいことは、公序良俗に反することや誹謗中傷はしてはいけないということです。人を傷つける発言や、誤解を招く発言は控えてください。あくまで『一社員』であることを忘れないように。
また、個人アカウントと企業アカウントは同じ端末で使用しないほうがよいです。個人の発言としてツイートしたことが間違って企業ツイートになってしまい、炎上することがまま見受けられます。このリスクを回避するためには、端末を分けることが効果的です」
キングジム担当者「日ごろからツイートを見る側の気持ちになって発信することを心がけています。SNSのなかでも特にTwitterは、友人や知人、家族との会話を楽しむプライベートなコミュニティとして利用している人が多く、それらのやりとりに企業アカウントが割り込んで入っていくため、見ている人が不快になる、悲しい思いをするようなツイートはしていません。
また、企業アカウントだからといって遠い存在ということではなく、“近所にいるキングジムさん”くらいの立ち位置になれることを8年前の開設当初から目指しています。商品の紹介も堅苦しいものではなく、なるべく普段使っている会話に近い言葉を選んでいます」
ただ面白いツイートをしてくれるサービス精神あふれる人たちだと思っていたが、その背後にはしっかりとやるべきこととやってはいけないことの線引きができているようだ。だからこそ、ここまで支持されているのかもしれない。