Q2 管理部門の社員は、本当にそこまで広い視野で最適解を見つけようとしているのでしょうか?
会社としての最適解を模索しながらも、結果として管理部門のことだけを考えている社員はいるかもしれませんね。私の実感で言えば、10人の社員がいる管理部門ならば7人はそのようなタイプに思います。
しかし、職位が上に上がり、管理部門の部長や本部長、役員の方などは社内外全体のことを広く考え、最も正しい解答を導こうとしていると私は考えています。前職は金融機関でしたが、そのときの管理部門の責任者は常に広い視野で全社のことを考えていたように見えました。
Q3 そもそも管理部は、現場の仕事や状況を理解しているのでしょうか?
現場の責任者などと比べて現場のことを心得ているのか、という質問だとしたら、答えはおそらく「No」でしょうね。ほとんどの管理部の責任者は正確には心得ていないと思います。それは、仕方のないことだと私は考えています。現場で長く仕事をしてきた人ばかりが、管理部門にいるわけではないのです。
その逆も言えることではないでしょうか。現場の社員や責任者が、管理部のことを心得ていない場合もあるかと思います。だからこそ、管理部門の人は現場の各部署のことを、現場の人は管理部門のことを勉強しようとする意識が大切なのです。
自分の意見だけが最適なのではなく、事業部門と管理部門が話し合う中で全社最適解を一緒に見つけようとする姿勢こそが、必要なのだと思います。私も気をつけていることです。
Q4 現場の社員が管理部の社員とぶつかったときの解決策をお教えください。
そのような場合は、ぶつかった相手にふだんから敬意を払うことはしていなかったのかもしれませんね。私にも、前職で似たような経験があります。相手のことを「この人は間違ったことを言っている」と思っていると、意見が違うときに冷静に聞くことができないものなのではないでしょうか。日ごろから敬意を払っている管理部門の先輩社員などに相談をしてみると、いいのかもしれませんね。
文/吉田典史
■連載/あるあるビジネス処方箋