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千葉・大原港で高級魚の代名詞ハタを狙う!

2018.04.24

 ハタの基本的な釣り方は80号の錘をつけた仕掛けを海底に落とし、1m~4mくらい巻き上げてアタリを待つ。この日狙ったポイントの水深は、40m~50mくらいと浅めだ。海底が概して平坦なアマダイ釣りと違って、ハタのポイントは海底の起伏が激しい。小まめに底を取り直さないと(再び錘を海底に落とし、仕掛けを巻き上げる動作)、錘が海底にベタッとついたままだったり、海底より遙か上に餌があるという棚ぼけ(棚とは餌を漂わせたり泳がせたりする海底からの距離)が生じる。ハタ釣りでは棚が高いほど大型が来ると言われるが、大型はもちろん小型でもそうそう釣れるわけではないので、あまり高い棚をキープするとオデコの確率が高まる。もっとも相手は自然に棲む生き物、何が正解かはわからない。ああだこうだと考えて試行錯誤するのも釣りの楽しみの一つだ。

 6時半頃に最初のポイントに到着すると、若船長が「棚は2m~3mですよ」とアドバイス。イワシをつけて仕掛けを投入する。正林さんの51cmアマダイが頭から離れない僕は、より大物狙いの3mキープを本日の方針とした。アタリのないまましばらく経ってから仕掛けを上げると、イワシがついていない。久しぶりの生き餌なので付け方がまずく、イワシがはずれてしまったのだろう。2投目以降ははずれることはなく、仕掛けの投入を繰り返す。そのうちの何度かは、イワシをつけた糸と錘をつけた糸が絡んでしまった。その原因と思われる余り糸(なんのことかわからないと思うが、説明するほどのことでもなく、また説明するのもややこしいので、説明しない。とにかく不要な糸のこと)をカットしようとハサミを取り出したら、指穴が割れてしまった。長年釣りをしてきて、こんなの初めて。なんと不吉な……。

かなり使い込んだハサミなので寿命か

 そうこうしているうちに、正林さんの竿が曲がる。上がってきたのは、ソゲ。1kg未満のヒラメをこう呼ぶ。続いて右舷先頭(僕の真後ろ)の釣り人が、2kg級を上げる。そして正林さん、コバタを釣る。小さいハタを勝手にこう呼んでいる。ちなみに、小さいアラはコアラだ。さらに右舷先頭で大格闘が始まる。若船長が隣に立ち、つきっきりでアドバイス、3kg超の大型を上げる。僕にはウンともスンとも、まったくアタリがない。かたや正林さん、1kg超のまあまあサイズを釣る。現在の釣果3対0、少々面白くないけれどサイズがサイズなので、まだ僕の心には余裕があった。正林さんに棚を尋ねると、1mくらいを基本に底近くを狙っているとのこと。どおりで小さいはずだと思いつつも、とにかく1匹釣るにはここは3mと1mの間をとってと、次の投入では棚を2mとした。

 時刻は9時20分過ぎ。錘を海底に落とし、2m巻き上げる。するとトントンと、竿先が軽く曲がる。早速アタリが来たと小躍りするや、ズボッと竿が海面に突き刺さる。すかさず、竿を立てる。「重い!」。リールを巻く、いや巻けない。40m下の海底から強烈な力で竿を引き込む。若船長が駆けつけて、激励してくれる。「大きいですよ。ハタですよ。竿は寝かせないで、立てて!」。と言われ、なんとか竿を立てるが、グイッと引き込まれて水平になってしまう。さらに竿が倒れて糸と竿が一直線になると、負荷がかかりすぎて糸が切れる恐れがある。必死で竿を立てる。ハタとの綱引きバトルだ。「リールを巻いて、巻いて、巻き続けて」と言われても、思うように巻けない。だが少しずつ獲物が上がってくる。残り20m、また引き込まれる。残り10m、またまた引き込まれる。「ハタも弱ってますよ。大丈夫です。巻いて、巻いて」。若船長に励まされ、渾身の力で竿を立てリールを巻く。残り5mとなっても引き込むが、勝負はここで着いた。海面に浮かんできたハタを、若船長が大タモ(網)で取り込む。3kg超の大型だ。「やった!」、若船長と握手を交わす。隣の正林さんも、満面の笑み(その裏に渋い顔!?)。この間、5分くらいだろうか。喜びとともに、疲れもどっと出た。

下船後。釣った直後に船で撮ればよかったと思うが、そこまで頭が回らなかった

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