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入社4年目社員の本音「まずは相手を知ることから」Mizkan・中津川絵理さん

2018.03.07

■鍋屋台とパートさん

「やってよかったね」と、売り場の担当さんに声をかけてもらいました。催事を通して乾物の売り上げが伸び、同時にうちの商品も伸長した。うちの商品の数は限られていますが、どういう切り口でメニューを提案していくかによって需要は作れる。

「営業は需要の創造だよ」入社当時、支店長に言われた言葉を、常備菜の催事を通して実感しました。

 本部の担当者から、この時期にこのチェーン店でこの商品を販売しますと、指示が入る度に、指定された商品を売りたい、だからその商品をアピールできる催事を取ることに集中していました。うちの会社は日報によるコミュニケーションが重要視されていまして。私はこの日報を書くのが遅いとたまに注意されるのですが。催事の売り上げがよかったりすると、“重要日報”というくくりで、PC上で全国の営業に展開される。それは私たちにとって励みになりますから。

 例えば秋冬なら鍋が最需要です。うちには「鍋屋台」と言って、町の屋台を再現したような派手な販促物があるんですよ。この販促物を催事場に据えてとか、熱を入れて担当者に話をしていると、

「あなた、定番の棚の商品の売れ行きを把握できているの?」というような言葉を、パートさんからもらいまして。催事を通して特定の商品だけを売ってくださいみたいな態度が、目に余ったのかもしれません。その売り場に十年以上いる中高年のパートさんたちは、売り場の棚の商品の回転率を、実によく知っています。また、私のように若い営業の人間をたくさん見ている。

 あなたたちが本部で各スーパーのバイヤーと商談する立場になった時、自社製品の全体の回転率を把握できていなかったら、困ることになるわよという考えも、込められているのだなと感じました。これは売り場のパートさんと、もっと仲良くしなければダメだなと、今更ながら思う出来事でした。

 食酢や追いがつおつゆ、ポン酢等々は日持ちがするドライ商品。そのドライ商品の売り場の担当だった中津川さんは、名古屋支店で2年間働き、東京支店に配転。納豆の営業を担当する。同じ営業でもドライとチルドではまるで違っていたが、難しい言葉の社是を念頭に、業務をこなす姿は後半で。

取材・文/根岸康雄

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