■集中力を高めるための5つの方法
集中力は途切れるもの。そうと考えると、いくら仕事がデキる人でも集中力が続かなかったり、途切れたりするのは免れない。そこで勝敗が分かれるのは、短時間の中で、どれだけ集中力を高められるかどうか、ということになる。
そこで、集中力プロデューサーとして企業、学校、スポーツチームへの講演や研修を行っている集中力のプロ 森健次朗先生に、主にデスクワークのビジネスパーソンが集中力を高める方法を聞いた。
1.集中しやすい姿勢にする
「集中力がない人の共通点は、姿勢が悪いということです。姿勢が悪いと呼吸が浅くなり、脳細胞に酸素がまわりにくくなります。集中力を高めるためには、集中しやすい姿勢が命です」
●実践方法
(1)利き手を頭に乗せる
(2)背筋を伸ばしながら頭で手を押し返す
(3)その結果、背筋が伸びる
(4)最後、両肩を緊張させ上にあげ、ストンと脱力!
「この状態で机に向かうと、自分がデキるビジネスパーソンになったような気分にセルフイメージが上がります」
2.「5、3、8深呼吸」
「一流アスリートや音楽家は、深呼吸を丁寧に実施します。なぜなら、呼吸は脳にとって車のガソリンと同じだからです。脳には常にガス欠にならないように、定期的に深呼吸を実施しましょう」
●実践方法
1で姿勢を整えた後、
(1)両手のひらを上向きにして膝の上に乗せる(首から腕への血流が良くなる)
(2)鼻から5秒間、酸素を吸う
(3)3秒間止める
(4)8秒間、ゆっくり口から吐く
以上を3回~5回、ゆっくり実施する。
「ちなみに、某有名プロゴルファー選手は、1ホール毎に、1秒間、鼻で吸って、2秒間息を止め、3秒間口から吐きながら、次のホールへ歩いているという話を聞いたことがあります」
3.目のピントを細かいものに合わせる
「今から対象に集中したいときや、心を落ち着けたいときに実践してみてください」
●実践方法
手のホクロや傷、シミなど、直径5mm以内のものに目のピントを合わせながら、息を10回前後、ゆっくり吐く!
「手動のカメラはピントが合ってない状態でシャッターを押すと、ピンボケの写真になります。つまり、対象の情報が見えない状態です。同様に、人間の目もピントが合っていないと、対象の文字情報が目の網膜から脳に伝わりにくいのです。よって、仕事をする前に対象に集中し情報を受信したかったら、目のピントを細かいものに合わせると周りの情報をシャットアウトし、パソコン上の文字にピントが合いやすく、情報に集中し情報を受信しやすくなります」
4.耳のピントを合わせる
「目の前の対象に集中したいとき、過去のイライラを鎮めることができます。あるいは、未来の不安や緊張時など心を落ち着けたいときにおすすめです。さらに、耳のアンテナが立ちやすく、人の話をよく聞けるようになります」
●実践方法
(1)目を閉じる
(2)社内や外から聞こえる音を3つ以上、心を落ち着けて探す。
例)「人の会話の声」「電話している人の声」「歩く足音」「外の車の音」など
「イライラしたり、意識が過去に集中したりしているのを一旦止め、今、目の前に意識を集中させるために行います。プレゼン前や大切な交渉、電話の前にも有効です」
5.集中力を高める「To Doリスト」を作成する
「通常のTo Doリストそれぞれに、何分かかるかを明記しておきます。人間はゴール時間がイメージできるとやる気になります。さらに『隙間時間のTo Doリスト』を事前に作成しておき、1分、3分、4分空いたら、これをやると集中力を持って行えます」