■あなたの知らない若手社員のホンネ~明治・西村光平さん(27才、入社5年目)~
20代の部下との良好なコミュニケーションは中間管理職に取って必須の課題だ。そのためには彼らの仕事に対するマインドを知り理解する必要がある。若い世代にとっても、同世代がどんな仕事をしているのか、興味のあるところだろう。この企画は入社3~5年の社員の話にじっくりと耳を傾け、そのモチベーションを紹介する。
第11回目は株式会社明治。菓子マーケティング部調査グループ、西村光平さん(27才)入社5年目だ。
■「ちょっとお前、裏に来い」
最初の配属は営業で赴任地は北海道・札幌でした。担当者と交渉をして自社製品の売り場をより広く確保したり、売り場作りをするのが仕事です。
売り場の担当者の中にはクセのある人もいます。赴任して間がない頃でしたが、大手スーパーのバックヤードに、2時間立たされたことがありました。バイヤーさんとアポイントメントをとって、約束の時間に伺ったのですが相手にしてくれない。前任者は女性だったので、男に替わったことが気に入らなかったのでしょうか。僕は何もミスをしいないのですから、意地になって徹底的に待った。
殺風景なバックヤードに、スーツにネクタイをした身長180cmほど若造が、じっと立っているのですから目立ちますよね。気の毒に思ったのか、パートのおばさんが「大丈夫?」と声をかけてくれて。2時間立たされて、打ち合わせは2〜3分ですみましたけど。
札幌ドームに近い大手量販店のマネージャーも厳しい人でした。赴任して間がないある日、売り場でマネージャーを待っている時にたまたま両手がふさがっていて、商談書を商品の上に置いてしまった。それを見て「ちょっとお前、裏に来い」と。
「商品の上に書類を置くなんて、常識を逸しているじゃないか。何考えているんだ!」バックヤードで、マネージャーにコンコンとお叱りの言葉をもらいまして。
「すみません……」何回も謝りましたが、「もうこなくていいよ」と言われて。失敗をしでかしたのが朝一番で、一度会社に戻り開店時間に伺って頭を下げましたが、完全に無視。昼過ぎにもお店に伺ましたが、「すみませんでした」と僕の言葉に、一言も口をきいてくれない。閉店時間に近い夜8時頃にお店を訪ねて、この日3度目でした。「反省しております!」土下座するくらいの勢いで謝りました。すると、
「気持ちはわかった、以後絶対にあんなことはするなよ」と、諭されました。