■東急直通への課題
東急直通は、まだ先のことながら、課題もある。
1.目黒線は6両編成
関根車両課長によると、20000系は「10両車」と「8両車」の2種類を用意するという。今回の10両車は、東横線直通を前提としている。
一方、8両車は目黒線直通を前提としている。しかし、目黒線は開業時から6両編成で運転されている。実は営団地下鉄(現・東京メトロ)南北線と東京都交通局都営三田線の全通及び、目黒線との相互直通運転時には、8両編成化する予定だった。
東急によると、目黒線開通時、当時の輸送人員などを鑑みて「6両編成」としたそうだ。そして、将来の相鉄直通を見据え、長大編成化を検討中だという。また、相鉄直通車両を新製する予定については、「従来形式の車両新造の予定はあります」の由。
2.弱冷房車
弱冷房車の設定については、下記の通り。
・相鉄の10両車は9号車、8両車は7号車。
・東横線の10両車は9号車、8両車は7号車。
・目黒線(全列車6両編成)は4号車。
弱冷房車については、8・10両車とも、同じ車両に設定されている。相鉄は2017年5月15日から4号車の設定をとりやめており、事実上東急に合わせた格好だ。仮に東急が目黒線の8両編成化を決断した場合、弱冷房車を7号車に変更するかもしれない。
3.女性専用車
女性専用車の設定については、下記の通り。
・相鉄は平日の上り朝ラッシュ時、下り夕方以降に4号車で実施。
・東横線は上下線とも平日朝ラッシュ時に1号車で実施。
・目黒線は設定なし。
女性専用車については、設定車両が異なっている。相互直通運転時には、東急に合わせるものと考えられる。仮に目黒線の8両編成化が決まった際は、設定するだろう。
【取材協力:相模鉄道、東京急行電鉄】
取材・文/岸田法眼