■相鉄車両の伝統、鏡が復活
今回の20000系で、復活したものを2つ御紹介しよう。
1つ目はブラインド(カーテン)。10000系、11000系はJR東日本の車両をベースとしていたため、取りつけていなかった。車体側面の窓は引き続きUVカットガラスを採用し、ブラインドを用意したことで、まぶしさをより低減させた。
意外なのは、ブラインドがフリーストップ式ではないこと。また、荷棚の位置を従来車に比べ若干低くしたのか、ブラインドがどこにあるのかわかりにくく、引き出しづらそうな気がした。
2つ目は鏡。9000系以前の車両では、“横浜にお出かけになる際、身だしなみを整えてほしい”という想いでとりつけた、“相鉄からの思いやり”。こちらも10000系、11000系では、設置をとりやめていた。
鏡は各車両1つ設置されている。乗車の際は、鏡で身だしなみをチェックしてみてはいかがだろうか。
■“プレミアムトレイン”と化したオープン戦
かしわ台車両センターでの記者発表会終了後、メディアらは20000系に試乗した。行先は厚木。“相鉄に「厚木行き」なんてあるの?”と思う方もいるだろう。相鉄は本線、いずみ野線、厚木線の3路線を有しているのだ。
厚木線は、回送列車のみ1日5往復運転。終点厚木は操車場の扱いとなっており、“夜に入庫、朝に出庫”という形をとる。また、厚木(留置線のみ)はJR東日本相模線と線路がつながっており、新製車両の“搬入先”として機能している。
20000系がかしわ台へ到着すると、メディアのトイレ休憩兼プチ撮影会。行先表示器には、そうにゃんが表示され、“プレミアムトレイン”と化した。停車中、20000系の車内を覗く乗客がおり、デビューが待ち遠しそう。
厚木線の車窓から、小田急電鉄海老名検車区と相鉄本線を眺める。
11時35分に発車。しばらく本線を走行したのち、相模国分信号場から厚木線に入る。しばらくすると、進行方向左側は小田急電鉄、右側は相模線のあいだを走行する。メディアの多くは、試乗よりも車窓を楽しんでいたようだ。
厚木に到着。撮影終了後、メディアらは貸切バスに乗り、次の取材地へ移動した。
7分後、厚木へ。小田急電鉄小田原線上りでは、70000形GSEの試運転が通過。ともに2018年デビューのルーキーで、“お互い頑張りましょう”とエールを交換したように映った。