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JR東海・柘植康英社長「人間力が会社を強くする」

2018.02.21

拓植氏

◎〝安全〟を守り抜くために高い緊張感を持ち続ける

――社長に就任されて3年。ビジネスリーダーとして様々な仕事をされていますが、特に力を入れているのはどのようなことですか?

「鉄道会社にとっては『安全』が一番大事です。最近、よく企業のコンプライアンスが問われていますが、鉄道会社のそれは安全に尽きます。事故をひとつでも起こすと、会社全体が重責を背負い、前に進めなくなってしまうでしょう。

 そこで重視しているのは安全への投資です。これを節約すると事故につながるので、惜しんではいけません。そして、何よりも一番怖いのが慢心です。絶えず高い緊張感を持っていないと安全は守れません。順調な時こそ気持ちを引き締めることが大事です。安全をしっかり守っていくことは、非常に大変なことなのです」

◎リニア中央新幹線の建設は全社一丸で取り組む一大事業

――リニア中央新幹線は2027年に品川−名古屋間が開業予定です。建設の背景をお聞かせください。

「東海道新幹線は、開業して53年がたち、様々な改良を重ねていますが、設備の経年劣化は否定できない状況です。もうひとつは南海トラフ地震などのような大規模地震の懸念。もしこれが起きると東海道新幹線に影響が及ぶおそれがあります。短期間で復旧できればよいのですが、大掛かりな復旧工事が必要になるかもしれません。そうした理由から、リニア中央新幹線によるバイパスが必要と考えています。

 しかし、国には財政の余裕がないうえ、北海道や北陸、九州の各整備新幹線が優先という事情があります。そこで、検討に検討を重ねて、『健全経営』と『安全配当』の堅持を大前提に、政府の財政投融資も活用し総額9兆円をかけて建設することを決定しました。

 開業スケジュールは2段階方式で、まず2027年に品川−名古屋間。そこから経営体力を回復させて8年後に工事を再開し、2045年に大阪まで開業の予定でした。しかし、名古屋から大阪までの開業に18年というのは時間がかかり過ぎる。そこで政府より提起された財政投融資を活用したスキームにより、3兆円を長期、固定かつ低金利でお借りして、大阪開業の最大8年前倒しを目指し工事を進めていきます。

 全面開業すると品川−大阪間が最速67分で結ばれます。首都圏・中京圏・関西圏が人口約6500万人の、世界でも最たる〝巨大都市圏〟が形成されるのです。また、首都圏一極集中と言われていますが、リニア中央新幹線はそれを分散させる切り札にもなります。加えて、リニア中央新幹線で結ばれる各都市には、首都直下型地震の懸念がある東京のバックアップ機能としての役割も期待できますから」

〈「夢の超特急」の再来を予感させるリニア中央新幹線〉

「夢の超特急」の再来を予感させるリニア中央新幹線

2027年に名古屋まで開業予定のリニア中央新幹線。現在、着々と工事が進められており、到達時間の大幅な短縮がもたらす経済的・社会的効果は日本の未来を大きく変えるだろう。
写真提供/東海旅客鉄道

〈開業以来、大勢の人でにぎわう「JRゲートタワー」〉

開業以来、大勢の人でにぎわう「JRゲートタワー」

昨年4月に開業したJRゲートタワーには、若い女性や子育てファミリー層を中心に、幅広い年齢層の人々がショッピングなどに訪れ、名古屋駅周辺の景観はこれまでと一変した。

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