毎年12月第1日曜日、パシフィコ横浜で開催されるのが、ムーンアイズが主催する『ヨコハマ ホットロッドカスタムショー(以下、HRCS)』だ。このイベントは国内最大規模のカスタムカーとバイクのインドアショーで、日本中から有名ビルダーがこの日のために特別な1台を作って参加するのだ。そのため、出展車両を見れば今のトレンドが丸わかり! そこで今回は、2018年のバイクの行方を占ってみた。
■ダート系カスタムが多い! さらに……
海外メーカーの積極的な出展も気になる!
今回で26回目を数えるHRCSは、昔からのファンならご存知だと思うが、もともとはアメ車や空冷VWがメインのカスタムカーショーだった。それが15年ほど前からバイクの出展が認められるようになり、いまでは両者の出展数は同じくらい。クルマはもちろんのこと、バイクファンにとっても1年の最後を締めくくる“お祭り”として認知されている。
イベント内容は、国内のショップが出展するカスタムカーとカスタムバイクの展示をはじめ、海外から有名ビルダーがゲストとして招待され、その製作マシンが展示される。また、ショッピングもこのイベントの楽しみのひとつで、イベント限定商品の発売やセールなどが行われ、ベンダーブースは毎年大盛況。他にも国内外のピンストライパーが出展し、自分のヘルメットやスマホにピンストライプやレタリングを施してくれる「PINSTRIPE GATHERING」、さらにライブステージやペイントコンテストも盛り上がりを見せているのだ。
HRCSの主流は、やはりハーレーをベースにしたチョッパーカスタムである。しかし、そんなメインストリームの合間を縫うように出展されていたのが、ダートスタイルのカスタムバイク。たとえば、ここに紹介するのは神奈川県座間市にあるM&M’sモーターサイクルが製作したフラットトラッカーカスタム。ベースはヤマハXS650である。このように、2000年代に流行した「トラッカーカスタム」がさらに洗練され、ショーモデルとして昇華したマシンが今年は数多く出展されていたのだ。
このマシンもベースはヤマハ・XS650。大径ホイールにブロックタイヤ、アップフェンダーとアップマフラーはヴィンテージモトクロッサー(以下、VMX)を思わせる。ロー&ロングのチョッパーとは真逆のスタイルだが、今年は数多く見られた。トラッカーとVMX……どちらも70年代、アメリカの土の匂いを感じさせるという点で共通している。
ハーレー・スポーツスターの元祖「モデルK」をベースにトラッカー仕様にモディファイ。このマシンではシートと燃料タンクを一体化するなど、チョッパー的な手法が散りばめられている。
オールドトライアンフも、以前ならチョッパーにカスタムされることが多かったが、今回はレーシーなトラッカーが数多く見られた。ファッション同様、カスタムの流行も時代とともに巡るようで、今年は2000年代トラッカーブームの再来が感じられた。