今ではエクセルやパワーポイントで、誰でもカンタンに作成できるさまざまなグラフ。しかし、TPOに合わせて適切なグラフを作れる人は、意外と少ない。多くの人は、自己流でなんとなく「円グラフにすれば格好いいだろう」といったフィーリングで作っている。しかし、グラフは種類によって機能・用途は異なり、それを間違うと、「受け手がさっぱり理解してくれない」といったことも起こるので注意が必要だ。
今回は、インフォメーション・デザイナーであり、著書に『説明がなくても伝わる 図解の教科書』(かんき出版)がある桐山岳寛氏(TKGDS代表)に、代表的なグラフの使い分けについて教えていただいた。
●円グラフ
見ばえのよさから、プレゼンテーションで頻繁に目にするのが、円グラフ。グラフの万能選手に思えるが、円グラフには「全体に占める割合を伝える」機能しかないと、桐山氏は言う。
「下の円グラフを見てください。A部分はC部分の何倍程度だと思いますか?」
「答えはきっかり5倍ですが、アバウトでも答えられた人はほとんどいないと思います。逆に、Aの部分が全体に対してどれほどの割合になるかは、『半分を超える程度』だと、すぐわかると思います」
「円グラフは、各部分の比較には適していませんが、『全体に占める割合』を直感的に伝えるのに便利なグラフです」