■「お洒落なトップス」に生まれ変わる
「“若年層を掴むものがない”っていう悩みがあったんです」
動画の中で鷲尾氏は、こうも語っている。
すなわち、これが改革の第一歩だったのだ。「ダサい肌着」の改善点を徹底的に洗い出し、「お洒落なトップス」に生まれ変わらせる。ワシオ式パイル起毛のポテンシャルに自信があるからこそ、今まで生産していた「ダサい肌着」にノーを突きつけたのだ。
改革とは、容赦なくやらなければ絶対に成功しない。
そして生み出したのが、『もちはだL/S ラグランT』である。普段着として使えるニットTとして、クラウドファンディング『Makuake』で出展中だ。
地方の町工場にとって、クラウドファンディングという場は「未開のジャングル」のようなものかもしれない。そもそもクラウドファンディングというプラットフォーム自体、ここ10年足らずで普及したものだ。しかし情報発信力に欠ける中小企業にとって、躍進のきっかけになり得る仕組みであることも確かだ。
製品をアピールしたい企業と、優れた製品を求めるクラウドファンディング。この両者がつながるのは必然とも言える。