ワシオにとっての最大の「武器」は、編み機である。
この機会は、ワシオの完全オリジナルマシンだ。地球上でここにしか存在しないという代物である。もちはだのパイル起毛は、この編み機によって作られる。他社によるコピーは絶対に不可能だ。
独自開発の機械だから、メンテナンスに相当な手間がかかる。交換部品は自分たちで製造するしかない。究極のDIYである。
そこまで労力を費やしたもちはだブランドの製品だが、先述の通り暖冬の影響で崖っぷちに立たされた。「いいもの」が無条件に受け入れられる時代は、すでに終わっているのだ。中小企業でも情報発信が求められる時代に、我々は突入している。
「僕の大学時代の友達に、全国各地の生産品を取り扱うビジネスをやってるのがいるんです。彼に相談して、PR動画を作ってもらいました」
その動画はMakuakeのキャンペーンページで見ることができる。
だが、動画の内容はある意味衝撃的なものでもある。何しろこの中で鷲尾氏自身が、
「もちはだって、クソダサいんですよ」
と、言っているのだ。この人物が正直な性格であるというのは分かるが、いくら何でもそこまで言っていいのだろうか。