■布きれ1枚で寝る……なんて無骨でかっこいい
「知人がDDタープを持っていたんです。最初は、その辺にある木を拾ってきて、布きれ1枚で寝るなんて無理してるんじゃない!?と思っていましたが、その無骨さが気になって。実際にやってみると、テント(MSR/ハバNX、コールマン/ツーリングドームSTなど)よりも軽くてなによりワイルド! 雰囲気ってやっぱり大切ですよね。
DDハンモックスのタープはいろいろな張り方ができるのが特徴です。何度もタープ泊をすることで適した場所や時期をインプット。次のキャンプではそれを応用すればいい。
キャンプをはじめてから、最初はできるかな?と思っていたソロ、冬のキャンプ、そして雪中で……とひとつひとつハードルを超えてきて、今ではこれらは当たり前になりました。タープ泊、ハンモック泊は、そのハードルのひとつだった気がします」(ヒロシさん)
「ハンモックは昼寝など遊び用だと思っていました。ロープをきちんと張らなくちゃいけないと思っていたし、狭いのは嫌いだし。何より寝ても落ち着かないんじゃないかと不安要素ばかり。でも、思いのほかよく眠れたんです。DDハンモックは蚊帳付きで、上にタープを張ってもいい。ハンモックの上であぐらをかけるほど広く、横になると心地よく包まれている感じ。そして、ロープワークを知らなくても設営できるほど簡単。よりアグレッシブなキャンプをしてみたい人に向いているのでは」(ヒロシさん)
タープ泊、ハンモック泊で気になるのは虫、動物対策だ。
昨秋より虫除け成分であるディート含有率30%の虫除け剤が日本でも販売されるようになり、また、新成分イカリジンを15%配合している肌にやさしい強力虫除け剤も登場しているわけだが、虫除け剤があれば大丈夫なのだろうか?
「虫対策なんて考えたことがなかったんですが、マダニにかまれて以来、蚊とり線香とディート高濃度配合の虫除けスプレー、万一に備えてポイズンリムーバーを用意しています。虫対策として、タープ泊では蚊帳の導入も考え中。
動物は、関東近郊ならシカが出るくらいだし。そのうち北海道で野営をしたいと思っていて、そのときはクマよけスプレーを持っていこうかな」(ヒロシさん)
谷藤さん、ヒロシさんの話を聞き、試しにキャンプ場で2泊ほどDDタープで寝てみた。一般的なタープをたるみなく張れるなら、設営のコツはつかめる。それにしても、テントとは違い、目覚めたらすぐに森の景色が飛び込んでくるのが新鮮だ
タープ泊とハンモック泊。どちらもテントとは違う開放感と、地形や木の状況などを考えてシーンを作り出すエンタメ性がたまらない。木にロープをかけることを禁止するキャンプ場もあるので事前のリサーチは必要だ。けれど、この手間をもってしても、体験する価値は十分にある。
【問】DDハンモックスジャパン
https://www.ddhammocks.jp
文/大森弘恵
■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
※記事内のデータ等については取材時のものです。