最後の仕上げにバナナプラグを使ったハイコスパなショートケーブルを作成する。
使っているバナナ端子は8個1050円(税込)のハイコスパ品である。これですんなり接続できる。
■高域はクリアーになったが、かなり大人しい音になった
コイルを入れた時の音の変化は、さすがに液体ゴムの時より大きい。フルレンジがウーハーになった感じである。スーパーツイーターの高域がマスクされなくなり、すごくクリアーに聞こえる。MichaelJackson「Thriller/Billie Jean」(DSD64)は今まで1番良かった。ボーカルに奥行き感が出た。スーパーツイーターに抵抗を接続して能率を揃えるとフルレンジのような音場感が得られた。音場感に文句はないが、音色的には抑制された感じで高域のヌケは悪くなった。このフルレンジが持っていたハキハキと明るくやんちゃな感じは影を潜めて、去年より君は綺麗になった〜 という大人びた音だ。ニアフィールドで聴くにはこれでいいと思うが、ネットワークでこれだけ音が変化するとは驚きだ。しかし、スーパーツイーターの音色自体は変えられない。突き詰めて考えると、私はこのスーパーツイーターの音色が苦手であることが分かってきた。物は試しにと真空管ハイブリッドアンプをやめてリファレンスのパワーアンプに接続してみると、高域の音色が変わった。これはスーパーツイーターが原因ではなくアンプ側の問題だったのだ。次のテーマとして、2Way化したフロントロードホーンキットに合う真空管アンプを探したい。
赤がフルレンジ一発の特性で、白がネットワークを使って2Way化した特性。レベルは合っていないが白の方が高域の谷間が少なくフラットに近付いていることが分かる。
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!
※記事内のデータ等については取材時のものです。