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20年ぶりにアルゼンチンから帰国した丸ノ内線500形

2017.12.07

■リターンズ

 
除幕後のフォトシューティング。

 東京メトロによると、メトロビアス社移籍車両も老朽化が進み、2014年頃から廃車する一報を受けたという。そこで若手の車両保守教育を充実させるため、500形を保存、復元する方針を2015年に決めた。メトロビアス社に車両部員を2回派遣し、車両の状態を確認したうえで、4両を選別したという。アルゼンチンのザラテ港から横浜の大黒ふ頭まで、約2か月弱のあいだ、船に揺られた。

「昔から、向こう(メトロビアス社)で使われなくなったときには、また、日本へ何両か戻してですね、保存したり、鉄道文化遺産の保存もありますけど、“若い人たちの教育に使えないか”と、かねがね思っていたのが、今回こういった結果になって、大変嬉しく思っております」

 留岡正男常務取締役は、式典のトークセッションで胸に秘めていた想いを明かした。復元工事に際しては、各現業から9人を集め、プロジェクトチームを発足。2016年9月から“本業”の傍ら、週1回のペースで進めてきた。

 増澤富士雄中野車両管理所技術課長、才口翔也氏(プロジェクトチームメンバー)の話をまとめると、中野車両基地搬入後、車両の落書きを消す作業から始まった。落書きに使われたペンキがなかなか消えず、薬品をつけた翌日に落とすなど、壮絶な作業だったそうだ。

 その後、車体を確認すると、車体側面下部全体にステップなどを取りつけたため、相当数の穴があいていたという。腐食箇所も見つかったほか、床下機器の汚れもひどかったそうだ。そして、プロジェクトチームメンバーは、今まで見たことのない部品に四苦八苦。現在、東京メトロで営業運転に使われる車両は、省エネかつハイテクなので、大昔の車両は“未知の世界”なのだ。

 プロジェクトチームメンバーの一部は昭和鉄道高校出身で、幸い校内に500形を保存しているという。才口氏は何度も母校へ足を運び、“模範解答”を得たそうだ。

 そして、周辺の住民に配慮し、“大きな音をたてる作業”を新木場車両基地で行なうため、2017年3月に陸送。メトロ車両、手塚車輌工業の力を借り、腐食作業の補修、床下機器のメンテナンス、塗装などに着手した。

 5か月後、中野車両基地に戻り、中野工場のメンバーとともに各装置の取りつけを行なう。式典と報道公開の時点、1次補修が完成(全体の6割程度)し、その後、2次補修に取り掛かる。留岡常務取締役によると、自力で走行と停止ができる状態にしたいという。

 なお、先述した塗装工場の廃止に伴い、将来の再塗装(塗装車両の多くは、検査時に実施)については現時点考えておらず、20~30年後に色落ちがひどくなれば検討するそうだ。

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