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中小企業によくある不条理な出世競争の実態

2017.11.19

■「実力主義」と繰り返し語る、本当の理由

2か月前、都内の医療介護支援会社(社員数60人)の50代後半の社長を取材した。

私はこの社長と10年ほど前に知り合い、現在までに5~6回は取材をしてきた。当時、社長は40代後半。「次の社長は白紙」と、私には名言していた。しかし、その後、社長は金融機関に勤務していた息子を入社させ、20代後半で課長に、30代前半で部長に、30代半ばに専務にした。

そして、息子のライバルになりうる30~40代の社員数人を辞めさせた。揚げ句に、さほど優秀とは思えない30代の社員を「息子のブレーン」と称し、30代半ばで部長にしている。この社員は息子と親しいようだ。こういう裏側の話を聞くほどに理解しがたい思いになる。しかし、これが現実なのだ。中には例外もあるだろうが、「筋書きのある競争」は多くの中小企業に浸透していることは否定しがたい。

あらかじめの結論があるがゆえに、社長は子息にとってライバルになりうるような社員のアラを探す。たとえば、の社長は「(あの社員は)いろいろとプロジェクトに参加するのが、いずれも中途半端」などと、ある社員を批判する。ところが、自分の息子の言動には何ら、おとがめなし。私が職場でみると、問題行為が多いのは息子のほうである。しかし、なぜか、30代半ばで部長になり、部下は5~6人いる。ところが、社長はこういう裏側を決して公にはしない。それを隠すかのように、「実力主義」と繰り返し語る。

最後に・・・。

読者諸氏が中小企業を就職の選択肢にする場合、昇格をめぐる競争にはあらかじめ結論があることを知っておくべきだ。がんばるほどに空しい結果になることがあるかもしれない。私がこの27年で見てきた中小企業の約2割は倒産や廃業している。吸収合併されたケースもある。社員たちは、大量に辞めている。こういう職場で、本当に「実力主義」なるものが存在するのか。そのことも頭に入れておくべきだろう。

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。

■連載/あるあるビジネス処方箋

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