最近、テレビドラマでも話題になった、大使館などの公的な会合でふるまう料理を担当する料理人。料理人には違いないが、その「公邸料理人」は、公邸ならではの特徴がある。果たしてどんなスキルや資質が求められるのだろうか。タイ人の公邸料理人を育て、海外に送り出している辻調理師専門学校の教員に聞いた。
■公邸料理人とは?
先日までテレビドラマでも取り上げられ、官邸で料理を担当する「官邸料理人」が話題になった。官邸料理人はすでに存在していないが、在外公館などの公的な場で調理の腕を振るう公邸料理人は健在だ。外務省の定義によれば次のとおりである。
●公邸料理人とは
「調理師としての免許を有する者又は相当期間にわたって料理人としての職歴を有する者で,在外公館長の公邸等における公的会食業務に従事する資格があると外務大臣が認めた者」
主に、在外公館長の公邸で行なわれる、公的な会食で、各国の外交団たちに対してふるまわれる料理を担当するのが、この公邸料理人だ。日本を代表して和食の味を提供する重要な責務がある。