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部下を抑えつけないと気がすまない上司への対処法

2017.07.26

■「距離をとる」

「距離をとる」とは議論をしないことであり、必要以上に報告・連絡・相談をしないことだ。誤解なきように言えば、上司を無視して仕事をすることではない。ひどい上司であろうとも、最低限度の関係を維持しつつ、仕事を進めていくことは義務である。

 ここで、さらなる注意が必要だ。距離をとるといつしか、職場で孤立をすることがある。孤立をしているような気がするとしたら、周りがあなたには関わらないようにしている可能性がある。上司から悪く思われたくないから、離れようとしている。

 あなたは、うろたえる必要はない。その姿を見て、上司は喜ぶことすらある。「自分が勝った」と思う場合すらある。ここで、原点に戻ろう。あなたには非はない。仕事の大きなミスも落ち度もない。自分を大きく見せようとして、部下を押さえつける上司の側にこそ、大いなる問題がある。このことを心に秘めて、堂々としていればいい。

■関係を切る

 現在の会社は、人事異動などを認めているだろうか。仮に人事異動があり、人事ヒアリングの場で意見を聞いてもらえるならば、他部署への異動を願ってもいいのかもしれない。もちろん、冷静に深く考えたうえで決断をするべきだ。
人事異動がないならば、何らかの形で、静かなる抵抗を続けたい。

 部下を抑えつけないと気がすまない上司はいったん、抑えることに味をしめると、際限がない。私の会社員の頃の上司も、現在、仕事で出入りする小さな出版社の管理職・役員たちにもその傾向がある。こんなレベルの人の部下にいつまでもいると、あなたの人生をつぶされてしまいかねない。あくまで冷静に考えたうえでの決断にするべきだが、縁を切るときも必要である。

 今回は少々、辛口な内容になっているかもしれない。だが、すべての上司が部下をきちんと育成する考えをもっているわけではないことや、部下を育てる技術を身につけていない人がいることは忘れないでほしい。必要以上に、上司を信用しないことが、あなたが生きていくうえで大切なのだ。

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。

■連載/あるあるビジネス処方箋

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