手帳ではスペースが狭く、必要なことが書けない。よって方眼ノートを使うべきという理論が注目されている戦略コンサルタントの高橋政史さん。その独自メソッドについて聞いてみた。
■手帳ではPDCAサイクルが回せない。それが問題
手帳は自分の計画を書くものと思い込んでいる方は多いはず。しかし高橋さんは「計画は、実行されたか、それを評価・確認し、改善していかないと仕事の質は上がらない。PDCAサイクルを回しましょう」と提唱する。PDCAサイクルを回すには計画を書くスペースしかない手帳では不十分。そこで方眼ノートを使うことを薦めるのが高橋さんの独自メソッドだ。
戦略コンサルタント 高橋 政史さん
最近の方眼ノート術ブームの仕掛人。今回の時間管理術は『頭がいい人は~』の応用編なので以下の著書も必見。著書に『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』(1512円、かんき出版)
◎ダメな原因は手帳にあり! 方眼ノートを使うのが正解
高橋政史さんは、手帳選びを根幹から揺るがす大胆な提案をする。
「結論から言えば、手帳を使うから時間管理がうまくいかない。手帳は書くスペースが狭いので、PDCAサイクルが回せない。考えてみてください。手帳に記入しているのはP(計画)のみで、D(実行)、C(確認)、A(改善)は記入していないはず。計画のみで満足してしまって、振り返りがないから、改善が進まず、その結果作業効率も上がってこない。私の提案は、PDCAサイクルが回せる仕事管理術で、それにはより自由度の高い方眼ノートが最適です」
高橋さんは、A4ヨコのノー トを次ページの図のように分割し、左に その日すること(P)、中央にその日したこと(D)、右上に確認(C)、右下に改善点(A)、上段にはその日の目標を書く。
「ポイントは、やることを“仕事”と“作業”にきちんと分けること。“仕事”は、“作業”を設計したり、意思決定を行なうこと。一方“作業”は、20分前後でできることで、これらの集合体が企画書や事業計画書など。“作業”は、アウトプットから逆算して設計することが大事。これを組み立てるのが、“仕事”です」
“作業”は、「ToDoボックス」で管理すると良いそうだ。
「手帳に“作業”をToDoリストで羅列する方法では大雑把すぎるんです。“作業”では極力頭を使わないのが効率化のポイントで、悩んでしまう時は、“仕事”での設計が拙いといえます」
とはいえすぐに“仕事”と“作業”を分類したり、“作業”の設計ができるようになるわけではないことは容易に想像がつく。
「ドラッカーが主著『経営者の条件』の中で一流の経営者でも「Do(今日何にどれくらいの時間をかけたか)」は記録をしないと実に曖昧だったこと指摘しています。P(計画)だけでなく、PとDCAも記録していくことで今からでも始めた人は先駆者になれるはずです」
手帳の概念を覆す見事な方法論。まずは一度試してみては?