根強い人気を誇る5ドアハッチバックのカテゴリーだが、2016年の秋は完成度の高いクルマが続々登場。その中から日本と欧州を代表する注目の2台をピックアップした。
クルマの安全性能に関していうと、ボルボはトップランナーと言ってもいいだろう。「ボルボの自動ブレーキシステム搭載車は、非搭載車に比べて追突事故発生率が76.5%減少しています」というコピーも有名だ。
一方、スバルは「EyeSight搭載車は非搭載車に比べて追突事故発生率が84%減少しました」とホームページで謳っているように、2016年9月に発表した新型『インプレッサ』で同社の運転支援システム「EyeSight」を第3世代へと進化させた。
両車を比較してみると『V40』は『インプレッサ』より全長が短くて、全幅が広く、全高も低い。デザインもいかにもボルボらしいフロントとテールライトでひと目でそれとわかる。
一方の『インプレッサ』も旧型からのスタイリングを継承しつつ、各部をブラッシュアップ。ボディーカラーは『V40』が14色、『インプレッサ』が7色でどちらも黒、白、赤に淡いブルー系を揃えている。
ただし、パワーユニットは『V40』が直列4気筒の1.5Lターボ、『インプレッサ』が同じ4気筒でも同社自慢の水平対向で2L自然給気となっている。また『V40』は前輪駆動+6速AT、『インプレッサ』は前輪駆動と4輪駆動から選べるが、方向性は異なる。
◎実走燃費は『V40』が上、安全性能で比べると互角
実際に乗り比べてみると、1.5Lターボ+6速ATと2.0L+CVTの動力性能や燃費は、ほとんど同じレベル。ただ実走燃費は『V40』が17〜18km/L台を記録しカタログ以上の数値が出た。また、走行モードは『V40』がエレガンス/エコ/ダイナミック、『インプレッサ』はS/Iモードが選択できる。両車とも各モードの違いがはっきりしており、走りを〝好み〟で選べる楽しさがある。
気になる安全性能だがこちらも好勝負。『V40』が11種類以上の先進安全技術を標準搭載しているのに対し、『インプレッサ』もそれに匹敵する先進安全技術を装備。ATの誤発進・誤後退を防止する日本特有の装備も用意されている。あとは150万円の価格差をユーザーがどうとらえるかだが、高額な『V40』も売れている。必ずしも価格の安いクルマが売れているというわけではなさそうだ。