そのほかにも格納すればスマホ置き場になり、展開すれば500ml~1Lのペットボトル、紙パックが置ける回転式カップホルダーや、後席の快適性にこだわったインパネセンターの4.2インチTFTカラーインフォメーションディスプレー左右にある後席用エアコン吹き出し口(風のもの)、車内のごみ箱にもなる脱着式収納ボックスなど、実用性、使い勝手をとことん追求。1-2列目席フルフラットアレンジによってまさに1LD-CARになりうるパッケージング、装備類満載なのである。
そんなダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンクのパワーパッケージはブーン・パッソ譲りの3気筒1Lエンジン+専用ギヤ比のCVTが基本。さらに新開発の3気筒1Lターボエンジンも用意し、様々な用途、要望に対応。モード燃費はそれぞれ24.6km/L、21.8km/Lだ。
気になるのはブーン・パッソより160kgも重い車重に、1LのNAエンジンの組み合わせでちゃんと走るのか?という点だが、街乗りメインなら軽快感ある必要十分な加速力、14インチタイヤによる軽やかでマイルドな乗り心地に好感が持てる。エンジンの3気筒感はほぼ皆無に近く、クルージング中の車内は意外なほど静かなのである。
一方、ターボモデルは1.5L並みの伸びやかな加速力、3名乗車でもゆとりあるロングツアラーとしても適切な動力性能の持ち主だった。乗り味の上級感はNAモデルを大きくしのぎ、おおらかな操縦性とカーブやレーンチェンジなどで重心の高さを感じにくい安心感ある走行感覚が魅力(NAモデルも同様)。
ただし、新開発のターボエンジンが常用域の2000回転付近で妙にこもるのは要改善点。開発陣にしっかり伝えておいたから、近いうちに対処されるかも知れない。
そうそう、先進安全装備にもぬかりなし。ダイハツ自慢のムーブやタントなどでJNCAP予防安全性能評価の最高ランクを獲得したカメラ、レーダーレーザー、ソナーセンサーを用いた自動ブレーキを含む5つの機能を備えた「スマアシII」が用意されている。もちろん買うべきはその搭載グレードに尽きる。