■「高く評価されたい」と心の底から願っている
このタイプが、上司や同僚、職場を批判するとき、それを額面どおりに受け入れないほうがいい。表向きは批判をするが、ホンネでは上司や会社にもっと高く認めてもらいたいと願っている可能性がある。だからこそ、わざわざ、口にするのだ。そもそも、本当に上司や会社を否定しているならば、未練がましく、いつまでも残ることはしない。「自分は優秀なのだ。認められないのはおかしい。もっと認められて、当然」と今の職場で言いたいはずなのだ。
しかし、労働市場ではそのような結果にはならなかった。社内でも、それほどに優秀とは思われていない。高い評価も受けていない。そのことに憤りや不満を感じているのだろう。こういう人は不満の塊で、そのはけ口を探している。そのターゲットにされることは避けよう。深入りはしないほうがいいのだ。
■先が見えていない
会社や上司、仕事などに不満があったとしても、3~5年後、そして10~15年先のことをある程度は見えているならば、多少は納得できうる。たとえば、5年後には課長になり、10年後は部長、15年後は本部長と本人が自覚し、周囲も認めているならば、大きな不満にはならないのではないか。だが、そのようなキャリアが用意されていない可能性が高い。ここにも、不満の塊となる大きな理由がある。
最後に…。誰もが不満をもって生きている。問題は、その程度や許容範囲だろう。会社や上司や部署などのことを盛んに批判する人は、それをはるかに上回っていることが多い。批判をしていれば、いつかは解決すると思い込んでいる人すらいる。こういう人と深い関係になると、あなた自身が不満の塊となりかけない。そのことを心に秘めて生きていきたい。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。
■連載/あるあるビジネス処方箋