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社長がすべてを取り仕切る会社が危ない理由

2016.10.17

■連載/あるあるビジネス処方箋

社長がすべてを仕切る会社が危ない理由

 社員数300人以下の中小企業を取材していると、じつは、社内の様々なことを仕切らないと気がすまないという社長が多いことがわかる。本来は、役員や管理職がすべきことにまで意見を言ったりして、権限を奪い、仕切ろうとする。しかも、そのことに対して、意見を言わせようともしない。とにかく、自分だけで社内が動いているものだと信じ込んでいる。今回は、こういう社長がいる会社がリスクを抱えている理由を私の取材で得た情報を元に考えたい。

■権限を委譲しようとしない

 社長があらゆることを仕切ろうとするのは、そのようにせざるを得ない理由があるからだ。人事でいえば、社員の採用、配属、育成、人事評価に始まり、人事異動、昇進・昇格、さらに退職まで口をはさむ。経理では、給与計算や交通費、経費の削減などにも口を出す。営業には、部全体の指示・命令に始まり、それぞれの部員の営業活動に対する指示も行なう。時には得意先の会社にまで同伴し、様々な会議に参加して、仕切ろうとする。

 大企業を見る限り、このような経営者はほとんどいない。だが、社員数300人以下の中小企業になると、ちらほら見かける。私のこれまでの取材経験を振り返ると、4人に1人の割合で現われる。このタイプの社長は、他の役員や管理職に大幅に権限を委譲するという発想や意欲が欠けている。むしろ、役員や管理職を信用していないようにすら見える。少なくとも役員や管理職は萎縮し、自分の判断で仕事を進めようとしない。こうなると、社長が常に前面に出ざるを得ない状況になってしまうのだ。

■誰もが意見を言えない

 社長が様々な場面に出て、案件を仕切ることができるのは、それに対して強く異論を唱える者がいないからだ。例えば、他の役員や管理職、あるいは労働組合などがそうだ。非管理職も含め、ほとんどの人が社長に直接、「こんなふうに仕切られるのは困ります!」と言おうとしないのだ。つまり、社長のワンマン体制になっていて、その判断や意思決定、さらに言動などにチェック機能が十分働いていないのだ。

 これで経営がうまくいく場合もある。だが、企業社会を広く見ていると、業績をダウンさせ、リストラなどをせざるを得なくなるケースのほうが多い。廃業や倒産に至る場合もある。そもそも会社は社員数が300人以下であろうとも、1人では企業経営ができないようになっている。そのことの意味を、このタイプの社長は本当の意味で心得ていない可能性が高い。

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