■自車位置精度を高めた、2大要素
電源を入れると、画面に「Gorilla」のロゴマークが表示されナビが表示され地図画面へ。この時点ですぐさま自車位置が正確に表示された。「カーナビだもの、当たりまえでしょ」と思う方もいるかもしれない。その通りなのだが、それでも電源を入れた直後に自車位置を正確に表示するポータブルカーナビは、かなり優秀と言っていいだろう。
据え付け型のカーナビは、GPS以外、車速やハンドルの角度などのデータから演算し、自車位置を割り出していた。しかもそのクルマにとって最適化を図っているので、地図データが最新であればズレることはほとんどない。その点、ポータブルカーナビは、GPSのみで自車位置を割り出す。
『Gorilla CN-G1000VD』は、従来のように米国のGPSに加え、日本の真上に位置する国産の準天頂衛星システム「みちびき」、そしてロシアの衛星「グロナス」にも対応。対応する衛星の数が増えたことで、高層ビルや樹木など、多少の障害があっても、より正確、しかも素早く自車位置を表示することが可能だ。
さらに驚いたのが、地下道やトンネルなど、GPSが受信できない場所を走行していても、ほぼ、正確に表示する点だ。実際に、都心のビル群や立体交差、首都高の海底トンネルを走ってみたが、自車位置は常に正確だった。ちょっと不思議に思えるほどだ。
これは『Gorilla CN-G1000VD』に内蔵されたセンサー「Gジャイロ」によるものだ。「Gジャイロ」は上下、左右、そして加速度を感知する。直進か右左折か、坂を登っているのか下っているのか、または高速道路か一般道路かを識別できる。
しかしこの性能には残念ながら限界がある。約20kmにもわたる首都高の山手トンネルでは、当初は正確に表示していたが、途中、渋滞で停止したあとは、ナビ画面の表示は止まったまま。しかし、地上に出た途端に再度現在地が正確に表示された。表示までに1秒もかかっただろうか、と思ったほどだ。
GPS電波を受信できないトンネル内も正確に表示。しかし、渋滞にはまったり、長距離のトンネルなどをそうこうしたりする場合は難しい。