「ブレスエアー」には、中空構造になっている繊維状の素材が採用されていた。この素材が3次元状に絡み合うことで高い反発力を生むだけでなく、通気性の良さや丸洗いできるという特長を持つことになった。通気性の良さや丸洗いできるという特長は、同社が評価したポインであった。
丸洗いできることの必要性は、アンケート結果から痛感したことだったという。岩崎氏は次のように話す。
「アンケート結果には、『朝起きると、くしゃみが止まらない』といったものがありました。これは、寝ている間にアレル物質を吸い込んでしまうためと考えられており、誰にでも起こり得ることです。衛生面を理由に、中材は丸洗いできることを1つの条件にしていました」
「エアロキューブ」の開発は、密度を変えることがポイントになった。素材の絡ませ方、素材の射出量を見直したが、納得のいくものが完成するまでに半年近くかかったという。「寝具業界では半年は早いかもしれませんが、最短3か月で商品化する当社からすると、時間がかかったという印象です」と話す岩崎氏。この半年の間に、密度を変えては体圧分散の評価や耐久性試験を行なうことの繰り返しだったという。
「エアロキューブ」と他の中材との通気性比較。数値が高いほど通気性がいい
一般的な敷き布団と『エアリーマットレス』との体圧分散性評価の比較
圧縮テスト硬度保持率の比較。硬度保持率が高いほど圧縮耐久性が高い