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会社に深刻な病を報告した後に想定されること

2016.08.05

■いじめ、パワハラ、退職強要を受ける

 リストラとは、通常は、会社の役員会などで了承され、全社を挙げて取り組むものだ。一方で、それぞれの部署の管理職などが独自の判断で、主に非管理職の社員に辞めるよう仕向けることがある。そうなると、30代半ばまでの社員がターゲットになることが多い。この場合、いじめやパワハラ、退職強要などが行なわれるケースが目立つ。役員会の了解がない中、一部の管理職だけで進められるからかなり強引に辞めさせようとする場合が多い。これが様々な摩擦を引き起こす原因となる。

 例えば、数人の管理職などが、前述のとおり「あいつは○○という病気だから…」という理由で退職に追い込むことがある。辞めなければ、社内で「あいつは、○○という病気だ」と噂を流されることもある。もちろん、これは好ましくない行為であり、退職強要と批判されても仕方がない。ところが、こういう噂が何事もなく浸透していく職場がたくさんあるということも否定しがたい。

 長く会社勤めしていると、どこかのタイミングで病にかかることはあるはずだ。風邪やインフルエンザなどが多いが、深刻な病気にかかる場合もある。入退院を何度も繰り返すことがあるかもしれない。だが「この際だから、辞めさせよう」などと、すぐに結論を導くようなことはけっしてすべきではない。こういうことがまかりとおるようになると、日々の仕事や会議でも、皆が恐れをなして、意見しにくい空気となる。やがては閉鎖的な社風となり、業績にも悪影響を与えかねない。管理職、役員なら、部下の「病」をどうすべきか、日頃から考えておくべきではないだろうか。

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。

■連載/あるあるビジネス処方箋

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