■『アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス』から売り方を見直す
2011年に『アデノバイタル スカルプエッセンス』を発売したとき、ディーラーがこぞって販売に注力し、ヘアサロンへの紹介を強化したという。「『アデノシン』にエビデンスがあることに加え、資生堂がヘアサロンというチャネル向けに満を持して改めて育毛剤を発売することに、ヘアサロンのオーナーやスタッフは説得力を感じてくれたようでした」と野々垣氏は話す。
ただ、『アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス』の販売に関しては、ヘッドスパに関する一定の技術・知識を持ち、同社が発行したディプロマを持ったスパニストが在籍するヘアサロンを中心に取り扱うことにした。販売を見直すことにしたのは、ヘアサロンが提供するより効果的な育毛メニューも推奨するため。まずはヘアサロンで育毛ケアを受け、その上で、自宅で『アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス』を使ったセルフケアをしてもらいたいとう狙いである。総合的な育毛ケアを受けてもらうようにするためには、ヘッドスパの知識・技術ともに高いものが必要。だから、『アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス』はアドバイスできる力があるところで取り扱うことにした。
■ユーザーやサロンの声から使い勝手を見直す
ユーザーやヘアサロンのこれまでの反応は好意的で、ポジティブな反応が多い。好意的な反応が新たなユーザーをつくった側面がある。
また、ユーザーやヘアサロンの声が改良に結び付いたこともある。それは、『アデノバイタル スカルプエッセンスⅤ』から容器にディスペンサーを採用したこと。『アデノバイタル スカルプエッセンス』では頭皮に直につけるようになっていたが、『アデノバイタル スカルプエッセンスⅤ』からは頭皮に向かって押して吹きかけるようにした。変更の経緯を、野々垣氏は次のように説明する。
「お客様とヘアサロンの両方から、『アデノバイタル スカルプエッセンス』だとどの程度使ったのかわかりにくい、という声をいただいていました。また、ヘアサロンからは、お客様の中には振って使う人がいて頭皮に届いていないケースが散見されるということも聞いていました。頭皮に直に塗るものですので、しっかり適量を使ってもらい、必ず頭皮に届かせるためにディスペンサーを使うことにしました」
従来は使う量に過不足が生じたり、きちんと頭皮に届いているかどうかわかりにくかったが、しかしディスペンサーの採用以後、1回につき20プッシュすればOKとわかりやすくなった。
『アデノバイタル スカルプエッセンス』(右端)と違い、『アデノバイタル スカルプエッセンスⅤ』(中央)でディスペンサーとなり使い勝手が向上。『アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス』(左端)にも踏襲されている