2月末に「ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)」で開催された、「NAGOYA オートトレンド 2016」で、旧車との新たな付き合い方を発見した。その最新事情をお届けしよう。
■“廃番マイナー旧車”が面白い。
「旧車なんて、いつ見ても同じでしょ?」…そんな風に思う人がいるだろうが、実は旧車の楽しみ方は時代によって変化するのだ。
確かにスカイラインGT-Rの初代、2代目やトヨタ2000GTクラスは永遠の人気車種だ。けれども、その値段は1000万円超は当たり前、トヨタ2000GTになれば1億円という値段がついてもおかしくない。また、ハコスカ、ケンメリ、Z(初代)あたりの通常グレードも総じて、値段が上がっている。
好き者にとって値段なんて関係ないのかもしれないが、以前のような気楽さが薄れてきているのも事実。そこで、今おすすめしたいのはマイナー旧車だ。1970年式以降のセダンタイプや、スポーツタイプの陰に隠れていたモデル、兄弟車のマイナーなモデルなどが総じて狙い目だ。たとえマイナー車であろうとも、古いクルマは減ることはあっても増えることがない。10年後にはおそらく、今の評価とは比べものにならない値段になっているだろう(たぶん)。
●1972年式 日産 ローレル
ブルーバードの高級版としてデビューした初代からモデルチェンジ、2代目にあたるのがこのクルマだ。L20型SOHC6気筒エンジンを初搭載したため、フロントグリルには自慢気に「L」の文字と「2000 6」の文字が読み取れる。
同年式のローレルは、2ドアハードトップが圧倒的に人気のため、正直4ドアセダンはまったく注目されてこなかった。しかも、同車は当時の高級車に多く見られた“ランドウトップ”が採用されている。ランドウトップとは幌馬車の名残で、当時のアメ車の高級車の屋根に軒並み採用されていた。空力が優先される現代では考えられない装飾が、一時はダサさの象徴だった。それが今、シブイ。5速ミッションを自慢する「5 SPEED」のバッジも時代感があっていい。
●1976年式 マツダ コスモAP
宇宙船のようなスタイリングが高い人気を誇る初代コスモに対して、1975年にデビューした2台目コスモは、今までは旧車として全くといっていいほど人気がないモデルだった。というのもマツダには「RX-3」や「RX-7」といった人気スポーツモデルがあり、ラグジュアリーで大柄なコスモは正直、マニアの嗜好とは異なっていた。しかし、今後は再評価が進むと思われる。
ロータリーエンジンの他にレシプロエンジンもラインアップしていたコスモだが、現車は13Bではなく、小排気量版の12Aロータリーエンジンを搭載する。これもまた、レアだ。ジャガーXJS的な流れるようなフォルムが’70sライクでオシャレだ。