小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「有休は冠婚葬祭だけ」理不尽な会社の通達に裁判所が喝!会社に支払いが命じられた慰謝料は?

2025.11.14

裁判所のジャッジ

裁判所
「この妨害行為は違法です」
「Xさんたちに50万円ずつ支払いなさい」

会社
「ちょっと待ってくださいよ」
「私どもの言い分を聞いてください。以下の通知ですが……」


通知
・有給休暇は年に6日とする
・原則として冠婚葬祭を理由としたときだけ認める
・それ以外のケースは欠勤として処理する


会社
「これは社員としての心構えを示したにすぎません」
「有給取得を妨害するつもりはありませんでした」

裁判所
「シャラップ!」

「たしかに、私用で有給休暇をとる社員もいたし、実際にX2さんも私用で有給を2日とれてますわな」

「しかし!会社の通達という形式で文書を作成して従業員に回覧させてますよね。これをしといて、なになに?『有給取得を妨害するつもりはありませんでした』は通用しませんよ」

裁判所
「あと、その通達を出したあと、X2さんが有給を申請したけど、オタク認めてないじゃん。しかも事故欠勤にして2ヶ月分の皆勤手当をカットしてるじゃん。X1さんは通院を理由とする有給しかとっておらず、5年間くらいは年2日しか有給をとれてないよね」

裁判所
「ってことは、通達のせいでXさんたちが有給申請を躊躇していたことは明らかだね。なので違法な妨害と認定しました」

法律マメ知識

2つマメ知識を。

1. 有給とるのに理由はいらない

上司
「有給とって何するんだ?」


「はぁ?テメェに関係ねーだろ!」
「モルディブに行くんだよ!」

これでOKです。有給をとる理由を説明する必要はありません。最高裁がそう言ってるからです。


年次有給休暇の利用目的は労基法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは使用者の干渉を許さない労働者の自由(全林野白石営林署事件:最高裁 S48.3.2)


なので「冠婚葬祭や病気のときだけ有給取得を認める!」は違法なザレゴトなんです。

2. 会社の承諾も、いらない

上司
「有給とりたい?」
「どうしよっかなぁ~。キミの頑張りを見てから決めるよ」


「はぁ?オメェより頑張ってるから!」

有給って、労働基準法39条の条件を満たしていれば「とりますね」でOKです。会社の承諾なんか、いりません。これもさっきの最高裁が言ってます。


会社の承認の観念を容れる余地はない(by 最高裁)


■ 例外

1つ例外があります。会社が「その時期はちょっと……」と考えた時には「その日は無理だからこう言う時期にしてくれないかな?」とお願いしてくることはあります(時季変更権〈労働基準法39(5)〉)。まぁ「その日は無理」の立証レベルは相当なものが要求されますが。

もし会社から「その日は無理」と言われたら、こう切り返してみましょう。

あなた
「私が有給をとることで【事業の正常な運営を妨げる】のでしょうか?(労働基準法39(5))。その日の私の労働が業務の運営にとって不可欠であり、かつ、代替要員を確保するのが困難であることについて詳細な説明をお願いします」

会社は「ウッッゼ!」と思うでしょうが、有給をとりたければ実践してみてください。

今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!

取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
webメディアで皆様に知恵をお届け中。「こんなこと解説してくれや!」があれば、下記URLからポストお願いします。
 https://hayashi-jurist.jp(←プロフィールもコチラ)
 https://twitter.com/hayashitakamas1

性格の不一致が理由で離婚することはできない?裁判で認められた医師夫婦の超レアケース

こんにちは。 弁護士の林 孝匡です。 宇宙イチかわかりやすい法律解説を目指しています。 性格が合わなかった夫婦の離婚法廷バトルをお届けします。ファイト! 夫 「…

Author
「ムズイ法律を、おもしろく」がモットー。 YouTube:https://www.youtube.com/@saiban_LABO

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年12月16日(火) 発売

来年末は、DIME本誌で答え合わせ!?来る2026年、盛り上がるだろう意外なブームを各ジャンルの識者・編集部員が大予言! IT、マネーから旅行にファッション、グルメまで……”一年の計”を先取りできる最新号!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。